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会場風景

 

来年の2月から貸し切りバスが自由化しますが、小グループの団体客が1台のバスで運行できる体制ができるかもしれません。

【坪井】フェリーも少人数化しています。気になるのは、女性のお客様が多い。レンタカーとかレクリエーショナルビークルを連ね、2〜3家族で移動しています。

【新滝】私どもの方では、消費単価がここ2年間でなだれ式に落ちています。お客様はいいものを安く求めていらっしゃいます。お客様のニーズに叶った商品を提供しなければと思います。バックヤードを改善するとか、お客様へのサービスを低下させない方法で省力化をやっております。

【長谷】観光というのは人々の暮らしであって、値段がどんどん下がっていることは事実です。私どもは隣接する観光地と提携しながらやっております。

【森谷】修学旅行誘致に力を入れています。平日を埋めてくれる利点と、リピートの可能性があります。人的サービス面では、ある旅館で全職員が平日は営業活動、週末はフロントサービスマンということを実践させようとしています。

【渡部】レジャー・旅行で注目していますのは、「少し賛沢に」という自己満足をさせる素材をどれだけ用意できるのか。いくら一つ一つのところにいい素材があっても情報発信に結びついていないと、情報としては弱いものになってしまいます。また、白山のプロジェクトは素材として注目しております。

【井山】日本を旅行する外国人の60%以上は東京、ついで大阪、京都ですが、富山・石川・福井に来られる方はO.3%。私どもが昨年から行っているホームページは、大体1ヵ月に100ヵ国ぐらいから200万件のアクセスがあります。また、国から補助金をいただき次世代観光情報システムを数億円をかけてやっております。北陸が今後大いにフル活用していただければと思います。

【下竹原】設備とサービスは旅館経営の基本ですが、それだけではお客様を呼ぶ力はない。知性と感性が極めて大事、それが個性なんです。観光はあらゆる日本の文化を素材とする総合芸術です。造形芸術といってよいでしょう。北陸には素晴らしい観光素材があります。現代の人たちのニーズをいかに掴むか。それに合った商品をどう仕掛けるかが大事だと思います。指宿においては温泉の効用を医学分野と連絡しながら分析し、お客様にその効用を配付することによって、リピーターの連泊につなげていこうと考えています。

【森谷】先日、台湾に行きました。観光地はまったく大丈夫です。また、観光客の実態そのものがどんどん変わってきています。こういうことを勉強をすれば新しい戦略が立てられるのではないでしょうか。

【長谷】大雪に関する情報で、温泉旅館がよくキャンセルを受けます。温泉旅館のみでなく、物流が途絶えるわけですので、これは情報が正確に伝わるように県や市町村と連絡を密にしながら発信することが大切と思います。

【松田】北陸のパンフレットは集中するところが全然ないんです。どういう特色を売り込むのかが大事です。情報の伝達手段で一番有効なのはテレビ、その次は口コミです。これからはバス会社同士が力を合わせて乗合の観光バスを運行させる必要があるのではないかと思います。

【森谷】東北では4大祭りを結びつけた滞在型のイベントが行われています。北陸でも15年前から提案されています。問題は越中風の盆が9月の1日から3日まで。これは本番で前夜祭は11日間見せます。それから宇奈月温泉で5日間、富山の駅前でも4日間。新しい祭をつくり、つなぐ仕掛けはできるかも知れません。しかし、本物の祭りを動かすのはできないわけです。

【渡部】情報発信という部分で、知らないことやあまり意識していないものを知る情報というのが、今までの情報といわれております。これがマスの部分です。これからの手段として知っていることをより深く知るという情報がニューメディアの手段だと思います。そして情報の整理は非常に重要です。「北陸三昧」で三県それぞれの食を楽しむ。それから「北陸三県三泊旅行」、三連休をとらえた仕掛とか情報発信があっていいのではないでしょうか。もう1つは「北陸先生」。北陸のあれこれを教える企画を提案します。

【舩山】頭が痛いのは旬の旅行ですね。桜は咲いているんだけど、気象を確実にキャッチするのは難しい。アップツーデートの情報はやはりインターネット。幸い、最近運輸省と日本観光協会が地理情報システム利用促進協議会をおつくりになった。これはいけると思います。また、地域の情報についてもきちんと提供できるように是非していただきたいと思います。

【井山】外国人を呼ぶには運輸省のモデルルートのように幾つかの県にまたがった方が良いので、三県共同でやっていただきたい。海外PRも三県一緒にやっていただきたい。

【森谷】三県共同で郡山、徳島に行きました。海外は韓国、台湾です。私がやるのは土俵づくりで、相撲を取るのは旅館、観光ホテルなど民間の方たちです。

【新滝】行政には観光専任の方を配置してもらい、民間が頑張る体制づくりを切に望みます。

【坪井】私がいま一番気になっているのは、皆さんすぐ「連携が必要だ」とおっしゃる。ところが県のパンフレット等を見ますと、ほとんどよその県は入っておりません。基本的に3県が本当に連携が必要だと思うならば、例えば、パンフレットやロゴを示すなり、あらゆる機会にそういうものをつくっていただきたい。

 

 

 

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