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福井サテライト会場

「広域共同情報発信」

 

福井サテライト会場のテーマは「広域共同情報発信」。11月18日に福井ワシントンホテルでフォーラムが開かれ、翌午前中に一乗谷朝倉氏遺跡をエクスカーションしました。フォーラムは西川一誠福井県副知事のあいさつに続いて、北本正孟恐竜エキスポふくい2000総合プロデューサーが基調講演。このあと伊藤光彦福井県立大学経済学部教授がコーディネーターとなり、討議・意見交換が行われました。討議は各委員から北陸に対して抱いているイメージを披露するなかで進められ、とくに最近の観光客のニーズの変化を踏まえた広域連携による新たな魅力創出と、情報発信について活発な意見交換が行われました。その成果をつぎのように総括しました。

 

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会場風景

 

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コーディネーター

伊藤光彦氏

 

1]北陸については素晴らしい自然景観や伝統文化・歴史のふるさと、日本を代表する旅館が点在する地域などのイメージがあるが、情報面でみると質は高いが量が少ない。

2]観光産業の現状については、バス旅行の比重が高まるなど「安・近・短」の傾向が強まっている。また、女性・高齢者・個人・グループが増加しており、熟年層の占める割合は、今後ますます高まると見られている。さらに、消費者の価値観は消費単価が落ちるだけでなく、よいものを安く求める傾向にある。このため旅館運営の効率・機能化とともに人的サービスの充実が求められるなど、旅行形態の変化への対応が必要。

3]北陸をPRするには、コア(核)イメージが必要。このキーワードは旅行者からの「点から線」「主体的」「だけど少し賛沢に」といった視点が大事で、温泉や海の幸などを題材に考えるべき。また、内外の観光客誘致ではインターネットを活用して売り込むが、三県で統一したモデルルートを作成、広域的な取り組みが必要。さらに旬の情報提供も重要。

 

基調公演

「広域共同情報発信―北陸再発見」

講師:北本正孟恐竜エキスポふくい2000総合プロデューサー

 

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私は大学を出まして、1番初めに就いた職がいわゆる黒四ダムづくりでした。そのご縁で、「第1回ジャパンエキスポ富山」、石川県の「日本文化デザイン会議」に関わり、福井県では国土庁の水源地アドバイザーとして武生にまいり、そば道場でそばを打たされました。一番印象に残っております。

私は人を楽しませる仕掛けと演出を生業にしてまいりました。楽しませることで申しあげたいのは「パンとサーカス」という言葉です。一言でいうと、自己実現ということになります。好きなことができる時代です。また、日本だけではなく世界が大交流の時代になってまいりました。

交流において一番大事なのは人と出会うことだと思います。旅をしたとき楽しいのは、名人といかに出会うか。これが1番大きなポイントです。楽しい演出をしていく上で必ず出てくる言葉は「魅力」です。人の営み、それから風土、歴史、これが相まって地域の魅力ができると思います。地域の魅力づくりで1番のポイントはアトラクティブネスです。私は1971年に沖縄海洋博の基本理念をつくるとき、アメリカのミスター・フォーバス先生から教わりました。この人はアトランタを売り出した有名なプロデューサーで、「発想の原点にあるのは歴史」とおしゃった。次に大事なのが物語、そしてリズム&テイスト、ガールズ&ギャンブル、ショッピングとなり、最後に自然が出てくるのです。なぜか日本のパンフレットは全部自然が先にきている。これは問題であり、発想の転換をしていただきたいと思います。

私が進めている「恐竜エキスポ」は、自然史のアミューズメントパークというのがコンセプトです。約140億円かけ世界で初の恐竜博物館をつくり、その周りにエンターテイメントの自然史をつくりあげる。こういうものがアトラクティブネスです。栃木県宇都宮はニラの生産高日本一で餃子日本一ということでモニュメントをつくって、まちおこしをしております。これぐらい分かりやすいコンセプトはないのではないでしょうか。佐賀県唐津の近くの呼子はイカを食べに毎日50台から100台の観光バスがきます。北海道も「カニを食べに行こう」と呼びかけた。

 

 

 

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