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■「と」泊まる、「や」休む、「ま」また行く(来る)。−「富山」の実現■

 

現在、富山の「と」は、通り抜ける「と」であり、なかなか時間をかけて富山の魅力を見ていただくことは、少ない状況であります。

例えば、世界に誇る大自然「立山」を例に取ってみると約1割が宿泊し、残りは日帰りとなっております。

しかし、立山には、四季折々の大自然の景色、人工衛星までがみえるような満天の星空、高山植物や野生動物たちとの出会い、山に住む人々、山を愛する人々との交流、山岳信仰や砂防の優れた技術、歴史など1つ1つにこだわれば非常に奥の深い魅力があります。また、自然環境に配慮した低公害車両(ハイブリットバス)の導入、ゴミの持ちかえり運動などの取り組み、さらに地方自治体として全国に先駆けて富山県が制度化した自然解説員(ナチュラリスト)とその取り組みなど自然を維持・保全する環境にやさしいさまざまな知恵・技術が凝縮されております。

今後は、「来てほしい。」という宣伝から、本物の観光地の魅力、地元のこだわり、地元の人の暮らしに興昧、関心を持っていただき、全国の皆さんにとって「心の休まる場所」として紹介していくことが必要であると考えており、ポイントを絞ってPRしていくことが必要であると考えております。

「いかに足を止め(宿泊し)、心と体を休ませ(ると同時にリフレッシュさせ)、また行きたい(もっと知りたい。)」と思う立山ファンになってもらえるような紹介と旅のサポートができるか今後大切になってくると考えております。

立山を例にしましたが、これは富山県すべての地域についていえることであり、「泊まる。休む。また行く(来る)。」と思っていただけるよう地域づくり、魅力発信を官民が力を合わせて取り組んでいきたいと考えております。

 

■広域観光の取り組み■

 

これまでの富山県の広域観光への取り組みは、「90年代観光振興行動計画(TAP90's)」に基づく「北陸観光立県推進会議」の決議を受けて平成4年に設立された「TAP90's北陸フォローアップ推進会議」を中心に、富山、石川、福井県の三県が連携し、北陸の観光魅力の各種宣伝事業、冬期誘客活動などの事業を展開してきました。また、北陸三県においては、官民が一体となった北陸広域観光推進協議会、北陸三県イメージアップ推進会議などがそれぞれ活動しております。さらに、平成10年10月に外客来訪促進計画を北陸三県で策定し、同年12月に国際観光テーマ地区推進協議会を立ち上げ、今年度より海外からの誘客と受け入れ体制の整備を図る事業を展開するなど、強固な北陸三県のイメージを内外に発信しております。

これらに加え、富山県では、長野、岐阜の三県と中部山岳三県観光推進協議会を組織し、北アルプスの環境の保全と観光客の増大を推進するため、パンフレットの作成、各種研修会などの事業を実施しております。

また、長野県とは立山黒部観光宣伝協議会、岐阜県とは飛越協議会、中部地方の9県1市とは、中部圏広域観光推進連絡協議会など近隣県との広域での取り組みなますます多くなってきております。

 

■北陸WAC21の取り組み■

 

このように広域観光の重要性が高まる中、北陸で開催するWAC21はまさに全国へ向けて北陸をアピールする絶好の機会であるとともに広域観光の重要性、国内観光の需要喚起を図る意味においても非常に重要な会議になると考えております。

富山会場では、「北陸における冬の観光振興」をテーマとして議論を深めていきたいと考えております。そして、心あたたまる北陸の冬の観光を参加される皆様とともに考え、課題意識を共有し、今後の事業展開、地域づくりに生かしていきたいと考えております。

北陸WAC21では、総括として、北陸としての共同宣言を全国に向けて発信したいと考えております。これらを通して、今後の北陸の広域連携に拍車がかかることを期待するとともに、今後とも効果的な観光施策に共同で取り組んで行きたいと考えております。

 

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雪の大谷

 

 

 

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