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もう1つは、情報というのは、生物でございますから、タイミングというのが必要なわけです。旬の情報でなければ、誰も取り上げてくれませんし、相手が欲しがっている時に出さなければ、受け取ってもらえません。ですから、タイミングというのが肝心だということです。そうしますと、情報を受け取る側の都合を考えなければいけない。一般の消費者というのは、非常にやっかいなところがありますけれども、旅行を考える場合に、4つ位の段階を持っているわけです。一般の人は、何らかの形で旅行に行きたいなあという欲求は、大体、いつも持ってるんです。ですから、旅行したいなあと思わせるような情報というのは、取り立ててなくてもいいと、思います。例えば、日本観光協会というような組織で、そういうものを感知していけば良いというようなことになるんだと思います。

それぞれの地域にとってみれば、その部分は省いてしまって、どちらかというと、まず、この地域に来ると、どんなことができるんだよという、いわゆる、観光地のイメージと言いますか、先ほどで言えば、この地域はこんな売り物をもっているということをまず、いつも言っていかなきゃいけない。そうしますと、たまたま、もうすぐ年末年始になるわけですけれども、子供も休みだし、どこかへ行くかという時に、年末年始だったら、どういう所へ行ったらいいか、例えば、大晦日とか、お正月に、ちょっと変わった行事をやっている所があると聞いたことがある。あそこ行って、それを見てみようかということになるかも知れない。そうすると、そういう行事があるということを伝えておくというのも、決して悪いことではないということです。一般の消費者の方が、こんな旅行したいなと思った時に、思い浮かべてもらえるように、それはいつも出しておかなければいけないということです。そういう情報は、ある観光地にお客さんを引っ張る為の、あるいは、思い出してもらう為の情報ということになるわけです。

その次の段階と言いますと、今度は、その旅行を計画するということ、あるいは、他と比較をするという段階になります。これは、大抵、ガイドブックであるとか、あるいは、旅行の情報誌であるとか、そういうものを見るわけです。さらに、もう1歩進みますと、もっと細かく旅行を計画する、スケジュールを出したりなんかする。そういう時には、それでまた必要な情報がある。例えば、旅行会社へ行ってパンフレットを見るとかあるいは、時刻表見るとか、あるいは、宿泊の予約をする為に、何かそういうもののリストがあるやつを見るとか、ということになる訳です。最後は現地へ行ってから、もっと細かい情報が必要になってくる。この町には、夜になったらどんなことがあるのかなとか、ここではどんな郷土料理が食べられるのかなというようなところまで、必要になってくるのは、その段階です。そういう段階を追って情報の出し方というのを考えておかなければいけないということです。

 

 

 

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