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(2) 宿泊料金の引き下げ

1996年秋から北海道の宿泊業関係者は、札幌市のホテル競争や台湾マーケットヘの先行投資の期待等を反映し、台湾の旅行会社に対して従来より割安な宿泊価格を提供するようなり、旅行会社の商品造成や販売に対する意欲を高めた。また、1996年から台湾元に対して日本円が下がったこともツアー商品の販売に好影響を及ぼしたと考えられる。

 

(3) EGによる「花のシリーズ」キャンペーンの継続

EGは、1997年も「花のシリーズ」キャンペーンを継続し、4月から6月までの期間、ライラック、ラベンダー、リンゴの花を使い、北海道と東北地方のプロモーションを行った。消費者向けには、新聞、旅行雑誌へ広告掲載を実施した。系列の旅行会社向けには、札幌市、富良野市、函館市と共同でイメージ浸透と商品化を促進するレセプションを実施した。

 

(4) 旅行会社によるプロモーションの拡大

台湾の旅行会社は様々な手段で自社のツアー商品の販売促進に努力した。

ホールセラーは、旅行業界誌に自社のツアー商品の広告を掲載し、旅行代理店の販売促進を図った。一方、消費者に対する販売促進活動では、日刊紙、旅行雑誌等に商品広告を掲載したり、海外旅行博覧会等にブースを出展し、自社のツアー商品を来訪者に宣伝した。また、台湾でテレビ放映されている旅行番組やバラエティ番組に協賛し、北海道ロケを実現した旅行会社も数社あった。

 

3. 本格的な「北海道旅行ブーム」到来 [1997年10月〜1999年6月]

 

1997年夏から多くの旅行会社が北海道ツアーに参入し始め、大量送客態勢が整いつつあった。1998年1月以降、エバー航空(BR)が、同年9月に中華航空(CI)が多数のチャーター便運航を開始し、チャーター便による来道者数だけで年間約33,000人に達した。EGによる同年の送客数約39,900人と合わせると計72,900人に達し、1997年の43,200人から69%の増加を記録した。

北海道各地の観光協会や民間企業は、1997年10月ごろから道観連と別に、独自でプロモーションを実施するようなった。道観連は、ミッションで商談会を実施する等、プロモーションとともに商取引重視への方向転換を行った。

 

(1) 多数の旅行会社の参入

従来は一部の先駆的な旅行会社だけが北海道ツアーを販売していた。しかし、北海道側の積極的なマーケティング、北海道ツアーの好調の継続、顧客の間での北海道の評判の高まりを反映して、1997年夏から北海道ツアーの販売に多数の旅行会社が参入を始めた。

 

(2) 観光協会による単独マーケティングの開始

1997年10月以降には、台湾人客来道者の増加の継続が、道内各地の民間企業の関心を高め、登別観光協会、層雲峡観光協会、洞爺湖観光協会、函館市、壮瞥町等、北海道各地の観光団体が、独自に台北で旅行業界対象のセミナーの開催やセールス訪問を実施するようになった。この際には、日本観光協会台湾事務所が事業の準備・運営の支援をはじめ、台湾マーケットに合わせた各地の観光魅力の選定等の助言を行った。

 

 

 

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