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それから、ターゲットマーケットの絞り込みです。北海道の場合には、パッケージツアー客、特に、リピーターをターゲットとしました。また、埼玉県、静岡県の方から、JNTOにどのように外客を誘致したら良いのかというご相談がありまして、私が埼玉県にお話した時には、東京に住んでいる外国人の方をターゲットとしても良いんじゃないかということで、お話しました。おそらく東京には、数十万人の外国人の方が定住されています。それは皆さんが、毎週来られたとして数えると、年間600万人のマーケットになります。東京にいる外国人の皆さんは、どこで遊んでいるのか、情報を持っていらっしゃらないんです。それが、1時間で行ける埼玉県、色んなレクリエーション施設、あるいはハイキングのできる地域とかご紹介すれば、たくさん誘致できるんじゃないかということで、東京に住んでる外国人の方がターゲットになるわけです。それから、例えば山口県の場合、記事の7ページ目にご紹介してございますけれども、九州に隣り合わせになっていまして、近くに大きなテーマパークがある地理的な位置にございます。ハウステンボス、スペースワールド、ハーモニーランド等々ございます。山口県の場合には、主役はそういうテーマパークに任せましょうと、あるいは福岡県、長崎県に、主役を任せますと、山口県は、もっと地道にやっていきますというふうな考え方をお持ちでして、例えば、東京と山口を結び付けたグルメと温泉7日間のツアーというのが、香港の旅行会社によって造成されました。山口県は、脇役で良いよというような考え方です。いつかは主役になってやるぞという思惑もあると思いますけれども、そういうのも戦略の1つで、数を狙わなくて、日本へのリピーター、ある程度日本を知っていて、東京、大阪に来なくても良いという人たちをターゲットにしています。

マーケティング戦略の5つ目なんですけれども、マーケティングミックスの決定。この中にプロモーションがでてきます。一番下に、広告掲載活動、販売促進活動、広報宣伝活動等々がでてくるわけでございます。

最後に、私が本日、強調しておきたいことは、ノウハウと人が、非常に重要だということでございます。ノウハウというのは、先ほどから申し上げているように、マーケティングの知識、技術でございます。良い戦略を作るには、やはり、マーケティングのある程度専門的な知識、あるいは経験が必要だということでございます。もう1つは、人です。特に実務レベルでのリーダー、あるいはコーディネーター、官民の皆さんを取りまとめることができるコーディネーターの方が必要になってきます。またこの方は、外国の観光関連協会やマスコミとのネットワークを築いている方でなければいけません。5年、10年、同じ仕事に就いている必要があります。やはり、立派な戦略があっても、効果的に実行できる人がいなければ、目標は達成できません。日本各地に、広域の団体、あるいは県、市、色んな団体ございますけれども、なかなか、外客誘致の実効は上がらない原因として、誰がやるのか、誰が実務のリーダーシップをとるのかということが非常に重要な問題です。

 

 

 

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