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マーケティングをやっていくということは、効率的、効果的に目標を達成できるようにするわけで、これは、外客誘致の為には必要な知識、技術でございます。誘客に必要な基本的なアイテム、どういうことが必要なのか、外客誘致をするには、何がなきゃいけないか、そういうことを教えてくれる専門分野でございます。それから、これだけ日本国内での競争、あるいは外国との競争が激しくなってきていますので、大競争時代に勝ち残るノウハウが必要でございます。よく外客誘致と言いますと、観光セミナーとか、旅行博出展、ミッション派遣、広告掲載とか言われますけれども、これはいわゆる、プロモーション事業でございます。プロモーション事業というのは、マーケティングの中ごく一部でございます。

皆さんのお手元の資料では、「マーケティング戦略策定と実施の方法」の中の、3ページ目に、マーケティング戦略の策定と実施の手順が、チャートで示してございます。このチャートでは、上から1、2…4つめのマーケティング戦略の策定の一番下に、プロモーションというものがでてきます。ですから、どのようにセミナーやったら良いのかとか、あるいは、海外旅行博のブースはどのようなデザインにした方が良いのかとか、そういうことは、相当各論になります。まず、マーケティング戦略をどのように作るかということを押さえていかないと、外客戦略の効果的な実施は、なかなかできないと思います。

マーケティング戦略を策定する前に、まず、先ほど少し申し上げました、長期目標がなければいけません。11月末には北海道で、北海道の観光を考える百人委員会が発足されまして、2010年までに、北海道への観光客、600万人から、1000万人に増やす。外客を現在の17万人から60万人に増やすと、人数の目標が立てられました。これは1つの、長期目標だと思います。それから、九州のハウステンボスは、国際観光交流拠点都市を目指しているということで、外客を100万人呼びたいということを目標にしています。長期目標のもと、マーケティング戦略を作っていく必要があります。この、戦略というのは、目標を達成する為の色々な事業を方向付けする、統合的な工夫でございます。まず、観光目玉を絞り込まなきゃいけません。北海道の場合には、冬以外の北海道、冬以外の季節、それから道東。大自然、花、食、温泉等が観光目玉となりました。

次にデスティネーションの範囲の設定。北海道の場合には、北海道だけでやりました。実は、その北海道のブームが起きる前は、北海道と東北が一体となったパッケージツアーがほとんどでした。ただ、チャーター便を利用できるようになり、航空アクセスが整備されたということで、北海道だけで売った方が、色々、効果的だということで、そうしました。それから、今後、2000年から2005年の間に、東京湾岸と大阪湾岸に、大型テーマパークができてきます。一方、地方圏では、あまり、大型の観光投資がないと思います。今後は東京と大阪の、これから増大する集客力を利用しても良いと思います。それは1つの戦略だと思います。東京ディズニーランドの場合には、日本への5日のツアー、あるいは1週間のツアーの最後に、東京ディズニーランドヘ来ています。7日、5日の内の1日だけが、東京ディズニーランド滞在となっていますので、いくら東京とか大阪に、大きなテーマパークができたとしても、それ1つだけでは、旅行商品は成立しません。

 

 

 

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