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昨年、JNTOが行なった、外国人に対する、訪日旅行者に対する訪問地調査の結果を見ますと、韓国からの観光目的の旅行者は、どのような旅行形態を持っているかと言いますと、欧米並みに個人旅行者が増えています。83%の韓国からの観光旅行者が個人で旅行しています。欧米、米国・英国の場合には80%位です。それから、香港からの旅行者は、団体と個人の旅行者の割合は、ほぼ同じです。そこで、団体ツアーばかりターゲットとしていると、個人旅行者が、なかなか捉え切れないという状況になってきます。

ターゲットマーケットとしては、コンベンション、国際会議、さまざまなイベント、これも、候補として上がります。また、インセンティブツアーですが、来年の3月、宮崎の方で韓国のIBMのインセンティブツアーが実施されて、250名位の方々が来られます。あるいは今年、米国の製薬会社が、1000人以上の規模で、京都・大阪に来られました。また、スペシャルインタルレストツアーという、特定のテーマを持ったパッケージツアーも、ターゲットマーケットとして、数えられるわけです。

ニーズと欲求を把握し、満足させる。取り引きの実現というような言い方がありますけれども、旅行、目的地を売る場合には、来てもらって初めて取り引きが実現されるということです。来てもらうまでのフォローをしなければいけない。それには、まず、最初の段階では、市場調査をやらなければいけないわけです。今、アジアで、どんなことが起きているのか、香港でどのようなことが起きているのか、欧米ではどのようなことが起きているのかということを情報として入手しなければいけない。例えば、お手元の資料の新聞記事、私が書いてるコラムなんですけれども、この1ページ2ページには、日本の、特に大衆文化の流行が、アジアだけでなくて、欧米でも起こっているということが書いてございます。また温泉は、日本最大の観光資源の1つですけれども、最近は、台湾、香港、韓国の皆さんも、喜んで入るようになっています。また、中国の上海では、温泉が、だいぶ流行しているようです。また、従来は刺し身も中国では食べられない、中国の方は食べないと言われてましたけれども、かなり好んで食べる人が増えてきています。このような調査をやっていく必要があると思います。

それから、商品開発、販売ということが言われますけれども、ニーズを把握したら、商品、旅行商品として、パッケージツアーなり、あるいは旅行社が売る商品という形にならなくても、個人で旅行に来てくれると、そういうことが、このデスティネーションマーケティングの場合は、商品となりますから、そういう意味での商品開発をしていかなければいけないと思います。

94年から97年まで九州へのテーマパークツアーがブームでした。これにつきましては、お手元の記事の4ページに書いてございます。九州の場合には、テーマパークツアーの後に続く商品を出さなかった為に、今は、アジアからの旅行者は頭打ちになっています。これは、北海道でも、同じようなことが言えます。今のうちに北海道は、新しいイメージなり、新しいマーケティングをやらないと、いつかは頭打ちになります。寿命がきます。

 

 

 

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