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色々な定義がございますけれども、ここで引用している部分は、非常に説明がしやすいということで、使わせて頂いています。読みますと、マーケティングについては、組織の目標達成の為に、競争相手よりも効果的かつ、効率的に、ターゲットマーケットのニーズと欲求を把握し、満足させることであるということが言われています。特に、デスティネーションマーケティング、外客誘致のマーケティングにおいては、まず、組織の目標を…何だろうかということを考えなければいけません。ただ人数を増やせば良いのか、これも大事な目標ですけれども。それから、経済効果も考えなければいけないと思います。うちの県に来て、何億円を落として欲しい、使って欲しい、それは目標になりますね。それから、雇用創出、何の雇用を生み出すのか。あるいは、税収。そういうものは、経済効果としては、目標になります。

それから、知名度の向上です。海外で全く知られてない町とか県とかあると思います。まず、知名度を向上してから、お客さん呼んでこようというようなアプローチもあります。例えば、福岡などは、なかなか1泊してくれない、滞在時間も短いという悩みをお持ちですけども、これを、1泊してもらう、あるいは2泊してもらうというような、滞在日数を増やす、そういうことも目標になります。次に、競争相手です。類似した観光資源を持つ外国が競争相手です。例えば、台湾では日本のライバルは中国であったり、米国であったりします。そこと日本は競争をしているわけです。今、北海道のライバルは、カナダになっています。類似した大自然の魅力等を持っています。また、旅行する基本的なインフラが整備されているということでライバルになっています。ただ、皆さんお気づきだと思いますけれども、日本国内でもライバルはたくさんいらっしゃいます。

台湾で年間200件から300件の誘致事業が、各県、各市、広域の団体、民間企業の皆さんの中で実施されています。ですから、ただ、温泉を売ろうという場合にも、温泉、日本各地に何千とありますから、温泉を売り物にすると、相当競争が激しくなるということがいえます。

そして、効果的かつ効率的に事業展開しなければいけない。また、ターゲットマーケットも、絞り込まなければいけないということがあります。よく、アジアはうちのターゲットマーケットだと言われてますけれども、アジアのどこの国にしようか、どこの地域にしようかと、韓国なのか、台湾なのか、香港なのか。また、その台湾の中でも、パッケージツアー志向者、パッケージツアーを志向する人の中でも、家族旅行者なのか、あるいは50代以上のシニア層なのか、若年層なのか、今は、そこまで絞り込まないといけなくなっています。それから、パッケージツアーだけでなく、個人旅行者もいくらでもいるわけで、個人旅行者もターゲットマーケットの1つとして数えることができます。

 

 

 

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