日本財団 図書館


ただ本日、1つ強調しておくべきことは、北海道からの旅行ブームは、1年でおこったわけではなくて、4年間の努力があったということでございます。1995年4月から、日本アジア航空、そして、北海道観光連盟、それから、日本観光協会台湾事務所、JNTO等々、さまざまな観光組織が共同で努力して、今までのブームをおこすことができたということでございます。それから、冬以外の北海道、特に道東の大自然を一環して宣伝してきました。日本アジア航空の場合には、3年間続けて、花のシリーズということで、毎年4月から6月まで、新聞広告等を通しまして、北海道の花のイメージを訴えてきました。

それから、道観連は、日本観光協会台湾事務所と、道東を中心にした、道東の夏・秋を、あるいは春を中心としたイメージを売ってきました。それから大事なのは、航空アクセスの向上でございます。日本アジア航空は、台湾と北海道との直行便がないということで、日本航空と、日本航空の国内線との乗り継ぎ便を利用した団体運賃割引を、95年4月に設定されまして、その時から、北海道の競争力が増したわけです。今でもアジア航空は、日本航空との国内線の乗り継ぎを利用した販売をされています。それから、長栄航空と中華航空は、98年の1月から、大幅にチャーター便を増便して、台湾から北海道へ直行のチャーター便を運航しているわけでございます。

このように、デスティネーションマーケティング、マーケティングという言葉を今使っておりますけれども、外客誘致をするということは、専門業務、専門的な知識、あるいは技術が必要な業務でございます。外客誘致と言いますと、海外ヘミッションを派遣して、そこで、観光セミナーを実施したり、あるいは、旅行博への出展をしたり、あるいは逆に、海外から、海外の旅行会社やマスコミを招請して、そこで取材してもらうなり、視察をしてもらうなり、さまざまな事業がございますけれども、その事業だけが、外客誘致ではございません。それらの事業を統合して行なうことが、マーケティングという専門的な業務でございます。本日は、マーケティングの大先輩の方々いらっしゃる中で、マーケティングの話をするのはおこがましいんですが、特に、本日は、デスティネーションマーケティングということについて、お話を進めているわけでございます。

実は、外客誘致に携わる、外国のNTOと言いますか、公的観光機関の職員は、マーケティングの勉強を、経営学で、大学で、あるいは大検レベルで受けてきて、それでオーストラリア政府観光局とか、シンガポール政府観光局、香港観光協会とか、そういう所で仕事にあたっているわけです。マーケティングとは何かということなんですけれども、お手もとの資料の2つ目でございます。「マーケティング戦略策定と実施の方法」という資料をご覧ください。この1ページ目に、「1、マーケティングとは」という項目があります。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION