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日頃JNTOが、皆様よりご支援を頂きまして、この場をお借りしまして、厚くお礼を申し上げます。

本日は、「外客誘致戦略の策定とその実践」ということでお話をさせて頂く訳ですけれども、外客誘致戦略というのは、いわゆる、マーケティング戦略の1つだということを、まずご理解頂きたいと思います。

本日、地方の観光協会、観光連盟の皆様、行政、県の皆様、市の皆様が多く来ていらっしゃるので、特にマーケティング戦略の中でも、目的地、県とか、あるいは、地域、広域、そういう所を旅行商品、商品と見立てたマーケティング戦略、いわゆる、デスティネーションマーケティング戦略について、お話をしてみたいと思います。

皆様もお聞きと思いますけれども、北海道で、今、台湾からの旅行ブームがおきています。今年99年には、10万人は突破するだろうと言われています。これは、96年の台湾からの来道旅行者数2万5千700人の、約4倍に当たります。また、単純計算しまして、台湾からの皆さんが5日間滞在して、お金を使われるとしますと、144億円の消費がなされている計算になります。この10万人の中の、多くの旅行者の皆さんが、長栄航空とか、中華航空のチャーター便を使って来ていらっしゃいます。10月末現在、8万6000人、昨年比ですと、81%増。ほぼ毎日、2日に一辺の割合でチャーター便が飛んでる計算になります。台湾からの北海道旅行は、ただ数が来ているだけでなく、先ほどのように、経済効果としても、大きなものがあらわれているということがいえます。

もう1つは、北海道といえば今まで、札幌雪祭り、冬のイメージが非常に強かったんですけれども、実際、冬に来るお客さんが一番多かったということがございます。けれども、現在では、夏とか秋に、北海道に来るお客さんが多くなっています。それから、札幌とか、洞爺湖とか、函館とか、道南・道央方面への台湾からの旅行者が、従来は多かったんですけれども、それが、道東や、道北にたくさん行くようになったということがありまして、旅行シーズン、それから、旅行地域の平準化がおきています。

この北海道旅行ブームですけれども、どのようにしておこったかということにつきましては、お手元の資料で、タイトルページに「台湾からの北海道旅行ブームはどのように生まれたかデスティネーションマーケティングからの考察」という私が書いた論文がございますので、詳しくはこちらを後からお読みになって、ご理解頂きたいと思います。

 

 

 

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