日本財団 図書館


ですから、今まで、海の幸という売り方をしてきた所は、ここは海の幸だけじゃなくて、サンマの刺し身というところまで絞ってやったんですけれども、果たして今、それが売りになるかということを、そろそろ考えるところにきているのかな、というふうに思っています。

あとは、商品開発をする際、当然、プライスというのが大事になってくると思います。ターゲットをどこに置くかにもよりますけれども、例えば、今、東京のOLは、イタリアンのコースをいくらで食べているのかとかプライスを決定する際に、そういったものとの相対的な比較になると思います。今、消費者は、どんな動き方をしているんだろうかという視点は、持っていて頂きたいと思っております。

次に、マーケティングではよく使われる言葉ですけども、ターゲットと、競合。売り方というのは、まさに私どもがお手伝いをしている、プロモーションの部分なんですけれども、ここを最初から意識しながら、商品を作って頂きたいと思っています。ターゲットを絞りなさいと、よく言われると思うんですが、絞ると、どうしても、間口が狭くなる感じがするので、ちょっと恐いといわれることがあります。ただ、商品、ターゲットを絞り込んで、それが評判になるというケースが結構ありまして、例えば、日帰りのお客様に絞った場合。日帰りのお客様に絞ったお陰で、商品がシンプルになって、インターネットに載りやすくなり、インターネットの業界で、大変有名になった旅館なんかもありますし、その道で一番になっていれば、評判が評判を呼んで、別のお客様、宿泊のお客様も来るようになったという、そんなケースも、多々見られます。例えば、ハンディキャップのある方、というようなところに焦点をあてて、商品を作ってみるというのも手かなというふうに思っています。

実は、ちょっと旅行素材とは関係ないんですけど、この本は中高年、年齢で言いますと、45歳から60歳位までの方を対象、まさに、ターゲットゾーンとして本を作ったんですが、実際に今、読んでらっしゃる方は、20代から60代まで、ほぼ、10%から15%ずつ、きれいに別れています。ですので、想定したターゲットどおりにはいっていません。もしかしたら、ヒントになるかも知れないなと思うのは、中高年という年齢軸によるターゲットセグメントというのは無いのかも知れないなということです。読者アンケートなんかを見てますと、例えば、特徴的に見られるのが、ライフステージ、例えば、お子さんがいるかいないかとか、お子さんが就学か未就学かとか、成人か未成人か、成人前か、というようなところで、読者が別れたり、所得、いわゆる、収入がどれくらいあるのかということで、読者がセグメントされていたりという傾向が見られます。実際に、平均年齢は45歳なんですけれども、一番読者として少ないのが、40代なんです。30代と50代が多くて、結果的に40代、45という平均年齢になっています。ですから、平均だけを見にいくと、もしかしたら間違ってしまうかも知れないなというような事例でございます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION