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このお題を頂戴いたしました時に、旅行商品というのは何なんだろう、私がお話できる事とは何なんだろうと考えてみました。通常、旅行商品といいますと、旅行会社のパンフレットに載っている商品、特に、各エリアの方は、こういった席に来られる場合も、旅行会社での商品化、という視点を持って来られていると思うんですけれども、私は本を作っている立場でして、旅行会社の方ともお話する機会はありますが、旅行会社がどういう視点で旅行商品を作られているかについて、詳しいわけではありません。ですので、本日は、私どもが本を作る際にネタとして、「これはおもしろいな」とか、「これはヒットしそうだな」とか、もしくは本を作りながら、各エリアの誘客ですとか、そういったことのお手伝いもさせて頂いてるので、実際、旅行に行かれるユーザーの方が、どんなふうに考えて、どんなものを楽しみにされているかとか、本を作る際に、どういう視点で作っているかとか、そんなことをお話できればと思っています。

今、申し上げましたとおり、このレジメに沿って申し上げますと、先ほど申し上げた、旅行商品の定義については、旅行会社とか、メディアとかが喜ぶというよりは、ユーザーが喜ぶような商品開発というのは、どのようなものなのでしょうか。売り方とかというよりは、素材をどう料理するかというようなお話をさせて頂きます。本を作る際にも同じような考え方をするんですけど、今、消費者はどんな動きをしているんだろうかといういう視点を、いつも大切にしています。

例えば今、観光需要というのは、伸びているのか、落ちているのか、横ばいなのかとか、それから、日本人は1人あたり、年間にどのくらい旅行するんだろうかというようなことを参考にしていて、今、需要は多少落ち気味だったりとか、それから、国民1人あたりは、1.2回位しか旅行していないとか、そういったデータを各エリアに伺います。「1度来てもらえれば、必ずまた来てもらえるエリアなんですよ、うちは。」とよくおっしゃるんですが、本当にリピーターというのはいるんだろうかと、同じ場所に年に何回もとか、毎年とか、そういう方は、本当にたくさんいるんだろうかという視点から、各エリアの方とは、お話をさせて頂くようにしています。それから、各エリアを伺うと、「海の幸が、うちは売りなんです。」というようなお話を、よく伺います。この本ではないんですけれども、若年層向けの「じゃらん」という本で、3、4年前になりますか、「サンマの刺し身を食べに行く」という特集をやったことがあります。この時、大変、反響が良くて、そのエリアの集客の役にも立てたなあという実感がありましたが、この1、2年で、サンマの刺し身が、東京のスーパーで並ぶようになったり、居酒屋のメニューに入ってしまったりとか、運搬技術が発達して、生で、東京でも食べられるようになってしまったんで、今、同じことをやっても、受けないだろうなっていうような視点でものを考えています。

 

 

 

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