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宮川/沖縄のお話を僕がお伺いした時に、沖縄のあの独特の音階があって、あれはあそこだけのものであって、どこの影響を受けていないのかと思ったら、そうじゃなくて、黒潮、海流によって、例えば、日本列島ずーっと廻って、そこから、その日本列島のいろんなとこから、送り出された文化みたいなものが、沖縄に行っているんですってね。そういうのを初めて知ってね、黒潮、海流ってのはすごいんだなって、思いましたですね。だから津軽三味線みたいなね、ジョンガラみたいなものは、沖縄でもちゃんとあって、あれ、沖縄の蛇皮線というのは津軽三味線の影響ですか。

鈴木/沖縄のいわゆる「三線(サンシン)」というのは、江戸時代が始まってまもなく、この本土の方へ入る訳ですね。そこで、三味線に変わる訳ですね。ですから、最初の三味線音楽の楽譜は、沖縄シンブてのが、最初の音楽なんです。そこから長唄とか、常磐津が始まってくる訳ですよ。義太夫とか、それが歌舞伎につながり、文楽につながって、江戸の終わりまでの日本の芸能を作ってくる訳ですね。だから、元々は沖縄の三線が伝わらなければ、日本の芸能はなかった。そのくらい、音楽が旅してくれないと、できなかった。

宮川/僕は家でテレビを見てると、日本中の名所とか、旨い物とか、温泉とか、全部テレビで見れるから、自分で、それでいいんだなと。こういうとこあるのか、行けたらいいなと思うだけで本当に行ってみようという気にならない。みんな見えちゃうでしょ。何でもかんでも見えて、自分のものになる。そういうテレビの功罪、相半ばなんでしょうけれども、行ってなきゃ駄目と思うんです。やっぱり我々はもう一回、日本がどんだけ素晴らしい国か、日本中のいいとこ探して、いっぱいあるから、実際、旅行しなきゃ駄目だと痛切に思いますね。

島田/本当にそうですね。

宮川/遠くへ行きたいでしょ。

島田/遠くへ行きたい。それでね、自分の周りだけでいると、なんだか自分の考え方とかが堅くなっちゃうんです。だけど、旅行をすると、普段の自分がいかに自堕落で駄目っていうことを気付かされるんですね。ですから、いろんなことに気付くし、そして旅行に行くと、歩くじゃないですか。東京にいると歩かないじゃないですか。歩いていろんなこと発見するっていうことが、本当にうれしいですね。

宮川/それでいつのまにか、自分が高められていくっていうか、自分の気持ちが、豊かになっていく。

鈴木/で、そういう時代が世界的に来るんですね。私なりの結論なんですが、21世紀ってのは、旅を通して、民族の大移動が世界的に行われる時代に入ってくるんです。と、申しますのは、1945年戦争が終わりになりますよね。1950年に世界中で外国へ観光旅行に出た人が2500万人です。これが、10年毎に倍増する訳です。1950年に2500万人、1960年にはですよ5200万人、70年にはですね、1億2000万人、80年にはですね、2億2000万人、それから90年には4億人出てるんですよ。そして、世界旅行連盟の推定ですが、2000年になんと、世界中で9億人が外国の観光旅行に出るんですよ。しかもその旅は、旗立てて団体で行くんじゃなくて、こだわりの旅の時代になるんですよ。今、一番世界中で旅行者が多いのはアメリカです。

 

 

 

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