(ピアノ演奏)
鈴木/旅先で、ふとこの歌にめぐり合ったって歌があるでしょ。私ね、インドでしばらく暮らしてたんですよ。そして、インドは肉はないでしょ。お酒はないでしょ。野菜ばっかり食べてる訳ですよ。それで、どっかにないかなーと思って、ある小さなホテル、3階建てのホテルの地下室に入って行ったんですよ。そしたら、小さな舞台の上で、5人乗って演奏してたんです。お客さんは他に誰もいないんです。そうしたら、この指揮者が「なに人だ。」って聞く訳ですよ。で、「日本人だ。」って。そうしたら「我々は日本の最も古い曲を知ってる。」て言うんです。「今から、演奏する。」って。始まった曲が何だったと思います。『荒城の月』。私はあの真夏の、ニューデリーの小さなホテルの地下室で、インド人の楽士から、『荒城の月』を聞いたですよ。涙が出ました、私。そして、「もう1曲、もう1回やってくれ。」って。私『荒城の月』を歌ったですよね。これは私、忘れない。で、その荒城の月が教科書から無くなるって話でしょう。ねー、どういうことなの?
宮川/今歌いませんか。『春こうろうの 花の宴 めぐる杯 影さして 千代の松ケ枝 分けいでし 昔の光 今いずこ』。
島田/はい、歌って下さい。
鈴木/覚えているじゃないですか。それでは、宮川さんのピアノ、島田さんの歌で荒城の月を。
島田/あら、鈴木健二さんがお歌いになるんじゃないの。
鈴木/即席ですから、何も、キーも合わせない、何もしてません。
宮川/キー、いいですよ。こっちが合わせますから。健ちゃん歌って。
(ピアノ演奏、荒城の月唱歌)
島田/やー、やー、聞いちゃった。鈴木健二さんの歌聞いちゃった。これは、お婆ちゃんに、家に行ったら話そう。
宮川/こういう風に展開するとは思わなかったですね。荒城の月を歌いたいと思う心情が出ちゃったんですよ。で、話がなるたけそれに近付かないかなーと、うまいこと、荒城の月、荒城の月へと。
島田/持って行ってたわね。
宮川/こりゃ気が付かなかったな。相当の人ですね。
島田/そうですね。まさか伴奏を弾くとは思ってなかったでしょう。
宮川/本当ですよ。あなたも一緒に歌って、ハモったりして、もう大変ですよ。
島田/これは本当、冥土の土産になるわ。