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(第二部) 風土と文化と音楽

 

森本/お馴染みのお顔でございます。とても穏やかな、鈴木健二さんでございます。そして島田さんとは同じ音楽ですが、リズムという切り口で、各地を旅していらっしゃいます、作曲家の宮川泰さんにも加わってもらいます。

どうぞ、拍手でお迎え下さい。

宮川さん、よろしくお願いいたします。

それではこれからのお時間は鈴木健二さんにオーガナイザーをお願いしたいと思います。それでは皆さんよろしくお願いいたします。

鈴木/よろしくお願いします。

この名古屋で、今お歌いいただきましたような歌を聞くのも、大変不思議なことだと思うんですね。この名古屋という所はですね、信長が生まれ、秀吉、家康が生まれ育った所なんですね。皆さんはその子孫な訳です。私は皆さんを心から尊敬します。名古屋は非常に実り豊かな濃尾平野にありますね。平安時代に諸国を上中下に分けたんですね。で、もっといい国を大の国というんです。大の国は全国に13しかなかった。この尾張は上の国になるはずが、なぜか下の国なんですよ。それはなぜかというと、人心が治まらないから。つまり、色々な人が住んだ。例えば、昔大陸から渡ってきた者は瀬戸内海航路が開発されていなかったから、福井県あたりへ上がった、それが、関ケ原を通ってこちらへ来ている訳。こっちの方の人も来ている訳なんです。だから、ここから出る土器とここからでる土器は同じなんです。

しかも、南の方からも渡って来ているんですね。七福神ってありますね。みんな出所がはっきりしているんです。大黒様はヒンズー教のシバの神、それから布袋様は弥勒さんなんですね。一人だけ分からない人がいるんです。恵比寿さんは出所が分かんないんです。それはこの地方にいた南から渡ってきた海洋民族が信じていた神様らしいんです。

だから、『ヤシの実』という歌は伊良湖でしょ。『名も知らぬ、遠き島より』、というその歌がそうなんです。ですから、たくさんの文化が入ってきて、旅をして名古屋に集まってきた、ということなんです。だから、そのそういう歴史もそうだし、歌もそうじゃないですか。今お歌い下さった歌、私たち子供の頃も歌いましたよね。それが代々歌える。そして、横にも伝わっている。そういった歌が縦横に繋がっているということは、専門家としてどうですか。

 

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