(8) 磁気コンパスの自差修正に関して
新SOLAS案では、第20規則1.2.1項の磁気コンパスに関する規定が、
1.2.1 a [properly adjusted] magnetic compasses, or other means independent of any power supply to determine the ship's heading and display the reading at the main steering position;
として検討を求めていた。
これに対してCIRMから、文書が提出され検討され、自差修正の必要性は原則的に同意されたものの、自差修正の細部にわたってのガイドライン案は更なる審議が必要とされた。結果として、1.2.1項の文書は[ ]を削除するにとどまった。
(9) ヘディング装置の必要性(この項のみSC6N50に記述されていないので、庄司氏からロ頭報告)
前回の第44回NAV会議でMarine Transmitting Heading devices(TMHD)の性能基準がまとめられたが、これは磁気コンパスをセンサとして、その真方位を伝達するものであるが、これ以外のHeading sensorからの装置も検討する必要があることが報告されていた。今回のNAV45会議では時間的余裕がなかったので、次回の第46回IMO/NAV会議で更なる検討をする必要があることがTechnical Working Groupの報告に記載されている。
デンマーク代表から、関連事項として、昼間信号灯の性能基準については、ISO/IECの共同projectとして取り上げているのかとの質問があり、飯島議長から現在のところ取り上げていない旨回答があった。
6. その他の審議議題
この報告書の"5.5.9NWIP: Electronic Chart System(ECS)Database"で報告のあった、ECS DatabaseをSC 6の作業項目として承認するか否かという問題について、アメリカ代表から資料SC 6 N53(添付資料15参照)が配布され、同資料に基づいて、ECS databaseの原案作成作業に5ヶ国が参加を表明しているのであるから、これをSC 6のwork itemとして認めることを、この場で承認してほしいとの再要請があった。
この要請に基づいて、次のような議論が行われた。
・ 飯島議長から、
ECS DatabaseのNWIPに対する投票結果は、N36 Rev.(添付資料10)のとおり出ているので、これを覆すことはISO Directivesの規定上出来ない。もし、どうしてもアメリカがECS DatabaseのISO規格化を望むのであれば、再提案すべきである。
・ アメリカ代表から、
N36 Rev.の内容は理解しているが、もう一度最初からやり直すことになると、ISO規格発行までに時間がかかってしまう。東京会議でこの問題を決めるのであれば、ドイツ、イタリア、オランダは賛成すると聞いている。
・ ロシア代表から、
ロシアは東京会議で承認することに賛成する。
・ SC 6事務局から、
もし、この会議で決めるとしても、出席しているP-memberは、アメリカ、韓国、ロシア、日本の4ヶ国だけなので、4ヶ国だけの承認によって、ECS DatabaseをSC 6のWork itemとすることは、ISO Directivesの2.3.5項の規定条件(原案作成参加を表明した国が、5ヶ国以上必要)を満足できず、また、ISO/CSがこの結果を認めるかどうかとの問題もある。以前にも同様の問題が生じ、ISO/CSに確認したところ、結局書面による再投票にかけさせられた例がある。
・ 日本代表の庄司氏から、
投票期間を短くするという条件を付けて、再度NWIPの提案をアメリカが行う事としてはどうか。