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非密封装置の場合は、爆発後に内部に残る爆発済みのガス(排ガス)を容易に排出できないので、新しいガスの供給ラインに透明な短管を配置し、可能な限り供試品に直近に取り付けないと有効な閃光を確認する事ができない。又、この配管についても可能な限り供試品の直近の位置に取り付けなければならなく、取り付け部の配管内径にも、配慮が必要である事を予備試験で再確認した。

今回の試験では、規格サイズのチューブの取り付けが適当でなく、有効な閃光を確認ができなかった為、内径φ15.0mm、長さ100mmの規格より大きいサイズのクリアーチューブを使用して試験を実施し確認できた為、このチューブにて試験を実施した。

規格のサイズのチューブの取り付けについては、内径の許容値、取り付け方法の確立には、今後の調査が必要と言える。(規格に記載の透明な短管のサイズに自由度を加える必要が有るか否かは、今後の調査が必要。)

3) 圧力センサーの有効性について

内部爆発圧力を直接圧力センサーにて測定する事は明らかに有効であるが、使用において取り扱い注意が必要である。

圧力センサーによる内部爆発の確認は可能であるが、舟艇用の電気機器(供試品)は全般にサイズが小さい為、受圧センサー取付け等のポートを加工する事が困難な場合が多い。非密封装置の為に、爆発圧力は供試品外部に抜けてしまい、圧力的には低い場合が多く、爆発圧を測定しにくい。又、単発火花による着火装置は、スパーク電圧が高圧の為に、受圧センサー本体を壊してしまうケースがあり得る。(今回の試験においても、2ヶのセンサーを破損している。)スパーク電圧とセンサーの耐電圧特性との検討により改善は可能かと思われるが、「透明な短管」による確認の方が機器破損もなく安全といえる。

4) その他の爆発確認方法について

内部爆発圧力を「爆発音」によって確認する事も可能もある。内部爆発が発生した場合は小さな爆発音を聞く事ができる。舟艇用の電気機器(供試品)は内容積が小さい為、その「爆発音」もかすかな音である。よって「爆発音」による着火確認よりも、「透明な短管」による確認の方がより確実かつ納得できる結果が得られるといえる。

 

4.3 供試品の評価試験

実際に舟艇で使用されている電気機器(供試品)の、爆発引火試験(確認試験)の結果を表1に示す。

供試品は、2体とも50回の爆発試験において、引火は確認されなかった。

試験の様子を写真2及び写真3に示す。

 

表1 供試品試験結果

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