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本文中の資料はいずれもWHOによる

文明国:ヨーロッパ各国、旧ソ連邦、アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエル、日本

発展途上国:上記以外の国

 

■図2 文明国における早期死亡の主要原因(1990年度)

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これが喫煙習慣が世界に蔓延した理由でしょうが、喫煙者は、意図しないうちにニコチン依存症に陥り、結局、自分自身の健康と生命を犠牲にしているのです。

喫煙はただ単にタバコを吸うその人だけの健康問題にとどまりません。家族や周囲の人にも悪い影響を与えることが明らかになっています。受動喫煙とか間接喫煙、環境煙問題といいますが、喫煙は家庭や社会の大問題ともなるのです。

 

悪名高いタバコ事業法の廃止を

日本には今日国際的に悪名高い『タバコ事業法』なる法律があります。その趣旨は、「我が国のタバコ産業の健全な発展を図り、もって税財政収入の安定的確保に資する」こととあります。

私の知る限り、タバコの促販を旨とする法律を有する国は日本のみのようです。タバコの生産・消費の拡大を目的としているのですから国際社会の非難は猛烈です。GDP(国内総生産)が世界有数の国としては、国際的信頼と品位にもとる法律は屈辱そのものでしょう。

この国のタバコの健康被害に関する無頓着ぶりは、おそらく、近年の日本人の平均寿命のデータが影響していると思われます。

 

 

 

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