そのことを詳しく聞けなかったというわけです。
共感を持つということ、その方の感じていることを感じるように努めること、送り手と受け手がそれぞれ共感を持つということが、一般的な言葉と専門用語の間のいろいろな誤解を解くひとつのいい手法になると思います。
非言語によって生じる誤解
先ほどから申し上げている言葉以外のいろいろなもの、非言語的なシンボルに対して理解が足りないときに問題が起きるというのは、コミュニケーションのうち非言葉的コミニュケーションが6割以上も占めるとなればむしろ当然ともいえるでしょう。非言語的というのは、言葉なしで相手に意味を通じさせるすべての方法、しかも自分では気がつかないで行っていることが非常に多いということです。
これはアメリカの話ですが、耳鼻科の医師が患者さんに処方箋を渡して、「これを鼻の中に入れなさい」と言ったのです。ちょっと席をはずして戻ってみると、患者さんはその処方箋を細くよじって鼻の中に入れていた(笑い)。それはやはり理解の程度というか、どのようにわかっているかということですね。シンボルの理解の違いということになってくるわけです。