職業として相手の体に触れていいのはプロフェッショナルだけです
E・T・ホールは、アメリカ人の場合、大体45cmから120cmくらいの距離をプライベートな距離と呼んでいます。そして120〜350cmはソーシャルな距離、社交の距離です。350〜750cmになりますとパブリックな距離です。そして45cm以下は親密な距離です。この範囲には本来自分と親密な関係にある人以外は入ってきてもらいたくない距離で、それ以外の人に入ってこられると不愉快に感じる。ですから母親と赤ちゃんの距離とか、土曜日の午後、盛り場を散策する恋人たちの距離というのも45cm以下のようですね。
けれども、この距離に入ってよいプロフェッションがあります。医師がそうであり、看護婦その他の医療関係者がそうです。美容師、理容師もそうですし、マッサージ師、鍼灸師もそうです。考えてみると国家試験を必要とする職業についている方はプロとして、本来なら入ってはいけないプライベートな距離に入ってもよろしいというお墨付きをもらっているということになります。