もうひとつは、見るということは攻撃につながるということ。“ガンをつけた”という怖い言葉がありますが、見るということは動物の世界では攻撃ということだそうで、とくにサルとは絶対に目を合わせてはいけないそうです。大分の高崎山の公園には「サルの目を見ないで下さい」という立て札が立っています。あれはもともと九州が新婚旅行のメッカだったころに、新婚旅行にきた花嫁が石段のところでサルに飛びつかれて階段から落ちるという事故があって、それ以来立てられた看板だそうです。サルにとっては目が合うというのは攻撃の合図で、先制攻撃をしかけるのです。ですから、人間の場合にもやはり目を見るということに居心地の悪さを覚えるということがあるのかもしれません。
目は口ほどにものを言い
もう一度目を合わせてみて下さい。今度は相手の耳の脇10センチくらいに視線を遊ばせながら見て下さい。その辺に目線を遊ばせていると、相手の方は自分を見てくれていると受け取るのだそうです。目をじーっと合わせるのでは何となくくたびれます。しかし、自分のほうを見て話をしてくれないと、注意が散漫だという印象を受けます。相手と話すときは、目線の高さということからいえば、上からか、同じ高さからか、または下からかというそれぞれの目線によって相手の受ける印象が違いますし、また自分の気持ちも変わってくる。それを心得た上で、意思を伝えるためには相手ときちんと目を合わせて話すということがとても大事だということを心得ていただきたいと思います。