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このとき心に留めておくことは、加害者がどう変わるかではなく、あくまで自分の態度です。

そして、このような対応の結果として加害者に何らかの影響を与えます。決して容易ではありませんが、このような対応を忍耐強くすることが自分の自立になり、バウンドリーが少しずつ形成されていきます。このようなバウンドリーが、自らの基本的権利などが脅かされるときには、自分を守ることができるのです。もちろん、このような対応だけでいじめをやめさせることができないこともあるでしょう。しかし、第三者の助けを求める場合でも、このような自分のなすべきことを果たして、加害者に対して「もしこれ以上続けるなら、このことを連絡して対応してもらいます」と明確に伝えることです。そして、この言葉を実行に移すことです。多くの場合、冷静に確固たる態度をとっていけばいじめはなくなります。つまり、小さな力でもその力の及ぶところに働かせると、徐々にその効果が出てくるのです。

 

b. 摂食障害への実践

あるいは、摂食障害の患者に対してもこの責任の原則は適用できます。たとえば、家族に過食か拒食の問題をもつ人がいるとします。そうすると家族は、何とかして食べさせよう、あるいは食べさせまいと必死になりますが、ほとんど効果がないだけではなく状態が悪化するでしょう。これはまさにない力を出している状態です。家族には摂食障害を治す力はありません。家族には家族としての役割があるのです。家族の誰かが虫垂炎になったとき、家族で治そうとは誰も言わないでしょう。そんなことをすればかえって命とりになるからです。そこで、摂食障害をもつ家族に、専門家と家族の役割の違いを説明し、過食や拒食の治療は家族ではなく専門家の力の及ぶ領域であり、家族の力の及ぶ領域はやさしくケアし、忍耐強く治療に専念できるよう励まし、サポートするならば、時間はかかりますが回復の軌道に乗れるようになるでしょう。

バウンドリーの力の原則は、自分の力の及ぶところに用いるべきで、そうしないと自分自身が無力感を覚え、周囲をも巻き込んで混乱させてしまうのです。

 

 

 

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