7. バウンドリーの原則の実践
ここでのテーマはバウンドリーの原則についてです。主な原則を3つほどご紹介しますが、バウンドリーは具体的にさまざまな関わりで実践しないと、自らにも、また他人にも形成されません。はじめはぎごちないかもしれませんし、あるいは失敗するかもしれませんが、実践なしには実現不可能です。泳げるようになるには、泳がなければいつまでたっても泳げるようにはなりません。バウンドリーも同じです。
1) 私たちは自分の行動とその行動の結果に責任がある
第1番目の原則は、自分の行動とその行動の結果に責任があるということです。これは「原因・結果の原則」といいます。自分の行動とその行動の結果に責任があるということを理解して行動をするときに、バウンドリーが形成されるということです。この「原因・結果の原則」というのは、原因があるから結果があるということです。リンゴの種を蒔いて梨の実を収穫することはできません。間違って蒔けばそれは別ですが、蒔いた種は刈り取らなければならないというのはまさにこのことです。何かをすれば、その結果は必ず生じるのです。この原則を体験するようにするとき、自分にも、また相手にもバウンドリーが築かれていくということです。
つまり、バウンドリーというのは人間関係から形成されていくもので、1人では不可能です。なぜかというと、バウンドリーは人との関わりの中にあるからです。たとえば原因があっても、その結果を刈り取らないような関わりをすると、相手にはバウンドリーができないし、その人自身の責任も果たすことができなくなります。