d. 親のバウンドリーが問われる
親自身にバウンドリーがないと、子どもにこの学習をさせることが困難です。たてまえとしてはそう言うのですが、子どもが泣いたり、強く要求すると親が折れてしまいます。このようなことが続くともう子どもは楽しみをあとにするというような忍耐力は身につきません。衝動的な行動をする若者や大人のほとんどは、この時期にバウンドリーのトレーニングができなかったからと考えてまず間違いありません。
7) 12〜18歳――コントロールではなく影響
最後は12〜18歳です。中高生の時期です。この時期は、子どもをコントロールするよりも、子どもに影響を与えることで何かをさせるようにするということです。
a. 親から離れるプロセス
子どもをコントロールするのではなく、親から離れていくのを助けるプロセスがこの時期です。日本人はまだまだこの時期も親子べったりのように思われます。大学を卒業しても子どもは親の許から離れようとしないし、また親も離したくないかもしれません。いまは時代が時代ですから、経済的にも大変だという面もあるかもしれませんが、親許にいたら、洗濯から何からみんなやってもらえる。自分の得た給料は全部自分の小遣いにできるとかいいことづくめですから、なかなか子どものほうが出ていかないわけです。それは、12〜18歳の時期にバウンドリーについて親がすべきことをしなかったからです。この時期は、バウンドリーという面からいうと親から離れる準備をする時期です。
b. 失敗から学ばせる
たとえば子どもが「こうやりたい」と言ったとします。そうしたら、子どもに対して、ただよいとか悪いとかいうことではなくて、一体なぜしたいのかを聞いてみることです。