c. バウンドリーが形成される親子関係
食事のしつけ:
子どもが3歳だとします。結構、好みや意見ははっきりするようになりますので食べ物に関係するしつけは重要です。子どもはニンジンが嫌いだとします。食卓にニンジンが出ました。もちろん少なくともこれは食べてほしいと思うような食べ物に関しては、親が料理の仕方に相当工夫をして、子どもが食べられるようにすることが大事だということが前提です。そのように配慮して料理されたニンジンが食卓に出てきました。子どもにそのニンジンを取ってあげたのですが、子どもはそれだけ残して、自分の好きなものだけ食べました。その時「ニンジンも食べてね」と言ったとします。子どもが「いやだ」と言ったので、少し口に入れてあげました。子どもはそれを口から出しました。この場合には、子どもにこう言ったらいいのです。「○○ちゃん、お母さんはあなたが食べられるように一生懸命これをつくったのよ。これを食べることは体のためにとても大事なので、少しでもいいから食べなさい」。それでも子どもが「いや」と言ったとしても、子どもに対して決して拒絶的にならないことです。そしてなおやさしく子どもに「もしあなたが食べないなら、10時のおやつはあなたにあげないよ」と言うのです。そのときにも決して怒った気持ちではなく、なおやさしく情緒的にちゃんとつながっていることです。子どもは、親がやさしい態度をとっていると怖がりません。子どもは、「大丈夫だな。あとでもらえるな」と思うかもしれません。ですから、子どもは「いいよ。なくてもいい」と言うでしょう。そして、10時になりました。子どもはおやつをもう探しているかもしれません。