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3月14日(日)

 

○本日のスケジュール・内容

総括ミーティング

帰国

 

研修プログラム最終日の午前中、今回の研修に対する総括ミーティングを行った。まず参加者一人一人の研修に対する「感想と反省」を述べてもらい、次に「研修からフィリピンについて分かったこと」、「来年以降の研修に対する提言」、最後にあえて答えのでないテーマである「幸せとは何か」について話し合った。

 

<感想と反省>

*参加できたことへの感謝

研修そのものに対する感想として、短期間でフィリピンの保健医療システムにおけるTopからbottomまで、それもGO、NGOに偏ることなく学べる研修に参加できたことは本当に幸運であった、という意見が出た。実際、WHO西太平洋office、フィリピン保健省、JICAフィリピンoffice、農村のフィールドワーク、NGO活動見学とこれほど幅広くプログラムを組んでいる研修は他に類がないであろう。また、私たち以外のたくさんの学生が本プログラムヘの参加を希望していたことを鑑み、今後様々な形で多くの人と今回の経験を共有していきたい、という意見も出た。本研修のプログラムは大変充実していた。しかし、参加者一人一人がプログラムをしっかりと消化できたかどうかはこの報告書に表れることとなるだろう。

*偏見・先入観について

次に偏見・先入観についての感想が出た。プログラム前に私たちには様々なイメージを持っていた。「フィリピンの人々は貧しい」、「フィリピンでのプライマリー・ヘルス・ケアはうまくいっていない」、「WHOの職員は現場を知らない」、「JICAは箱物援助ばかり行っている」、「日本人は現地の人から反感を買っている」これ以外にも多くのイメージがあったが、これらのイメージが現場を前にして初めて偏見や先入観であった、と認識できたことが多々あった。時にはじっくり舐めるように現場を見て初めて偏見に気がついたこともある。そのイメージを打ちこわし訂正することは苦しくもあり、また楽しくもある。私たちはメディア、本、友人、著名な先生方の話を通してあらゆる現実に対する世界観を構築している。日常においてはそれら世界観の一部に先入観や偏見が含まれているという認識すら持てない。自分独自の世界観を持つことは悪い事ではない。たとえ先入観や偏見に満ちた世界観であろうが時として自分自身に活力と情熱を与えてくれる。しかし、自分の世界観と現実に相違があるときには常に修正し続ける謙虚さと勇気を持ち続けることが大切であろう。

*参加者によって異なる観察態度

次に、参加者によってずいぶん現実に対する捉え方の相違があり、一人一人を観察していてとても面白かったという感想が出た。

 

 

 

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