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なお中央アフリカ共和国では慢性的な薬剤不足と医療従事者に対する給料遅配の問題があるので、今後は現地で調達出来る生薬など植物から抽出する薬剤の検討も必要ではないかと思われる。ただ疫学的にみても当分の間はこれらの検討と並行して笹川記念保健協力財団の調査団による検診および治療も継続することが必要であると考えられる。

 

【本年度の供与機材薬品】

 

本年度は一昨年までと同様に顕微鏡、遠心器などの検査用機材およぴ薬品を日本で購入して別送した。これらの別送機材および現地で購入した薬剤は今回の調査で使用した後に現地中央アフリカ政府の保健省に供与した。

 

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本年度も日本で購入して携行器材として持参した薬品の他、ミンテゾール、クロロキン、アルスマックス、パラセタモールなど一部の駆虫剤を現地で購入して受診者に投与し、残りをブアール病院とバンザ村およびウワンゴの診療所に供与した。また保健省より貸与された自動車の礼としてペニシリンや抗生物質なども現地で購入し、バンギー中央病院と保健省に供与した。

昨年度までに供与した薬品類は有効に使用され、他の供与器材もバンギー中央病院、バンギー社会病院、バンギー友好病院、ウワンゴ診療所を始め、他地区の病院でも丁寧に保管・使用され、十分に活用されていた。なお前年度に供与した遠心器および顕微鏡は別送機材の現地到着が遅れることを懸念して保健省の地方医務局にそのまま保管され、我々調査団が使用出来るように配慮されていた。今回もパタセ大統領にお会いする機会はなかったが、飯沢参事官、黒沢医務官と共に会合を持った大統領主治医のザフィオ医師および大統領の手伝いをしているギメ氏を通じてパタセ大統領が大変感謝をしている旨の伝言が伝えられた。旧知のチモサ保健大臣始め保健省幹部および関係者も笹川記念保健協力財団の継続的な医療援助に深く感謝している。

 

 

 

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