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これらの陽性者75名の中常在糸状虫のミクロフィラリアのみが陽性であったのは37名(49.3%)、ロア糸状虫のミクロフィラリアのみが陽性であったのは17名(22.7%)、両種のミクロフィラリアが陽性であったのは21名(28.0%)であった。この両種混合感染者21名は全検査数からみると5.9%となる。ケラ・セルジャン村で採血した235名の中29名(12.3%)が糸状虫陽性であり、その中常在糸状虫陽性が14名(6.0%)、ロア糸状虫陽性が24名(10.2%)であった。これらの陽性者29名の中常在糸状虫のミクロフィラリアのみが陽性であったのは5名(17.2%)、ロア糸状虫のミクロフィラリアのみが陽性であったのは15名(51.7%)、両種のミクロフィラリアが陽性であったのは9名(31.0%)であった。この両種混合感染者9名は全検査数235名からみると3.8%となる。一方バンザ村では採血した119名の中46名(38.7%)が糸状虫陽性であり、その中常在糸状虫陽性が44名(38.7%)、ロア糸状虫陽性が14名(11.8%)であった。これらの陽性者46名の中常在糸状虫のミクロフィラリアのみが陽性であったのは32名(69.6%)、ロア糸状虫のミクロフィラリアのみが陽性であったのは2名(4.3%)、両種のミクロフィラリアが陽性であったのは12名(26.1%)であった。この両種混合感染者12名は全検査数119名からみると10.1%となる。以上の成績を眺めてみると糸状虫陽性者はジャングル内に存在するバンザ村の陽性率は38.7%とサバンナに存在するケラ・セルジャン村の陽性率12.3%より高率であり、特に常在糸状虫の陽性率がバンザ村では37.0%とケラ・セルジャン村の6.0%より高く、ロア糸状虫の陽性率は各々11.8%、10.2%と大差は認められなかった。これらの糸状虫患者に対しては来年度にジエチルカルバマジンを投与する予定である。

 

b) マラリア原虫検査成績

マラリア原虫検査成績は表6に示すごとく、ケラ・セルジャン村とバンザ村で採血した合計354名の中206名(58.2%)がマラリア原虫陽性であり、その中熱帯熱マラリア陽性が156名(44.1%)、四日熱マラリア陽性が120名(33.9%)であり、本年度はバンザ村で1名(0.3%)の卵形マラリア原虫陽性者が検出されている。これらのマラリア原虫陽性者354名の中熱帯熱マラリア原虫のみが陽性であったのは86名(41.7%)、四日熱マラリア原虫のみが陽性であったのは50名(24.3%)、複数種のマラリア原虫が陽性であったのは70名(34.0%)であった。この多種混合感染者70名は全検査数からみると19.8%となる。ケラ・セルジャン村で採血した235名の中141名(60.0%)がマラリア陽性であり、その中熱帯熱マラリア陽性が116名(49.4%)、四日熱マラリア陽性が75名(61.9%)であった。これらの陽性者141名の中熱帯熱マラリア原虫のみが陽性であったのは66名(46.8%)、四日熱マラリア原虫のみが陽性であったのは25名(17.7%)、両種のマラリア原虫が陽性であったのは50名(35.5%)であった。この両種混合感染者50名は全検査数235名からみると21.3%となる。

 

 

 

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