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調査地および被験者数:

東ミンドロ州ヴィクトリア町マラボ地区マラボ小学校

男性53名 女性54名 合計107名(但し2名は腹部超音波検査・採血拒否)

南アグサン州サンフランシスコ町フバン地区フバン小学校

男性55名 女性52名 合計107名

 

検査方法:1. 腹部超音波検査法

1] ポータブル型超音波診断装置(フクダ電子UF-4000)

2] プローブ(フクダ電子FUT-C111A 3.5MHz 60R)

3] プリンター(Sony UP-890MD)

(いずれも獨協医大の医動物学教室所有)を用いて肝臓、門脈系、脾臓について観察した。肝臓と脾臓についてはその大きさを測定した。肝臓についてはプローブをほぼ胸骨中線において、肝左葉の断面よりその長径と短径を測定した。肝右葉については右鎖骨中線上と右前腋下線上にプローブをおいてその最大径を測定した。脾臓は背側左肋骨下縁での描出像によるその最大径を測定した。また、それぞれの描出像はモニターで画像を確認しながら平均5枚の画像を熱転写プリンターにより静止像としてプリントアウトした。また肝臓の日本住血吸虫症による病変像の判定には大前(1992)*の診断基準に基づいた。

*Hiroshi Ohmae, Manami Tanaka, Masataka Hayashi, Yasushi Matsuzaki, Yoshihisa Kurosaki, Bayani L. Blas, erundio G. Portillo, Orlando S. Sy, Yuji Irie and Kazuo Yasuraoka(1992):

Ultrasonographic and serologic abnormalities in Schistosoma japonicum infection in Leyte, the Philippines, Am. J. Trop. Med. Hyg. 46: 89-98

 

2. 日本住血吸虫抗体検査

採血は検査目的と内容について十分な説明がなされた後、前腕上中皮静脈への静脈穿刺によりそれぞれ州の日本住血吸虫症対策チームに所属する臨床検査技師によって実施された。およそ4mlを採血後に遠心分離された血清に防腐剤としてアジ化ナトリウムを添加し、冷蔵保存した。これらの血清はできる限りの保冷状態で獨協医大の医動物学教室まで搬送され、後日、日本住血吸虫の虫卵抗原を用いて、IgG抗体のみについて酵素免疫吸着測定法(ELISA法)により抗体価を測定した。このとき吸光光度計の吸光度(O.D.値)0.2以上を陽性と判定した。

 

 

 

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