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家計

日本経済は依然として低迷を脱することができず、とりわけ、個人消費については、スーパー、デパートの売上げ不振に象徴されるように伸びない。このような中ではあるが、以下主な費目別の消費構造について国際比較を試みてみる。

 

図1

1 食料費の割合は、各国とも一様に低下、特に日本の低下は急

食料には、食品、飲料、タバコが含まれる。家計総支出中に占める食料費の割合は、生活水準の高さを示す一つの指標“エンゲル係数”として知られていて、エンゲル係数が低い方が生活水準が高いとされている。国際比較をしてみると、どの国も20%以下だが、最も低いのはアメリカで10.6%、次いで日本の16.1%、フランスの17.6%などとなっている。これらに対し、イギリスは19.3%、イタリアは18.9%と比較的高い。10年前をみると、やはりアメリカが一番低く、イギリス、ドイツ(西)、イタリアは高い方だが、どの国も、この10年の間に低下しているから、各国の生活水準の高まりがうかがわれる。

 

2 教育娯楽費の割合は、日本は多い方、更に伸びも著しい

図2

教育娯楽費には、教育、娯楽、レクレーション、文化サービスの費用が含まれる。各国を比べてみると、一番高いのは日本で12.6%、次いでアメリカ、イギリスの各10.8%、ドイツの9.8%などとなっている。フランスは7.3%と比較的低い。10年前との対比でみると、日本、アメリカ、イギリス、フランスは上昇し、イタリアは少し下がっているが、いずれも大幅な変化ではない。ドイツの10.1%は旧西ドイツの割合である。

なお、最近日本では学習塾や家庭教師の費用が減少しているという調査もある(次表)。

 

子供1人当たりの学習塾、家庭教師の費用(文部省調べ)

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図3

3 衣料費の割合は、各国とも低下、日本は水準も低い

衣料費には、衣服、はきものが含まれる。各国を比べると、大きな開きはないがイタリアが8.7%と最も高く、次いでドイツ7.0%、イギリス5.9%などとなっていて、日本は5.0%と一番低い。衣料への出費は、社会生活のための着衣や防寒のほかに、ファッション、文化センスなどとの関係も含まれている。10年前に比べると、各国とも支出割合は低下している。

 

4 家具・家庭器具・家計雑貨の割合は、各国とも低下の傾向、日本は水準も低い

これは各国の間で大きな差はないが、イタリアとドイツが共に8.9%と高く、次いでフランスの7.3%、イギリスの6.5%となっていて、日本は5.0%と一番低い。10年前と比べると、多くの国(ドイツの10年前は西ドイツにつき比較注意)で一様に低下している。

 

5 交通・通信費の割合は、アメリカを除いて上昇、日本の水準は低い方

各国を比べてみると、ドイツ17.2%、イギリス17.1%が並んで高く、以下フランス16.5%、アメリカ14.4%、イタリア12.4%と続き、日本は11.6%で一番低い。10年前と比べると、アメリカを除いて各国とも少しずつ上昇している。ちなみに交通・通信費と自家用車の保有状況との係わりをみると、交通費は通信費に比べてマイナーであり、その係わりはあまり顕著ではない。各国とも自動車への出費よりも、通信費の方がはるかに多くなっているのが実態である。

 

 

 

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