日本経済の光と陰
経済大国を謳歌し対外経済援助を続ける日本も、90年代に入って低成長期に入り、大きな財政赤字に悩んでいる。
図1 長期低迷を続ける景気
高度成長を遂げた日本経済は、1990年代に入ってからは、バブルの崩壊、金融機関の脆弱性の露呈などにより、低成長が続いている。
実質GDPの成長率
資料:OECD “Economic Outlook, December.1999”
図2 経済援助で世界に貢献
日本の発展途上国に対するODA(政府開発援助)は、91年以降世界第1位の規模で、うちほぼ6割がアジア地域向け。しかし、ODAの対GNP比率では、0.28%と21か国中12位。
資料:外務省「わが国の政府開発援助ODA白書」(1999)
98年までの累積援助額では、インドネシア(148億ドル)、次いで中国、フィリピン、タイ、インドと続く。
1998年までの累積援助額の大きい国
資料:外務省「我が国の政府開発援助の実施状況(1998年度)に関する年次報告」
図3 経済の発展を支える技術力
日本の特許出願件数(自国及び他国への出願)は、96年53万件でアメリカの124万件に次ぐ。91年まで日本はアメリカを抜いていた。
主要国の自国及び他国に出願した特許出願件数
資料:特許庁「特許庁年報」、「特許行政年次報告書」世界知的所有権機関(WIPO) "Industrial Property Statistics"
図4 巨額の政府の借金
年々の赤字
主要国が財政健全化に取り組み成果をあげているのに対し、日本だけが年々赤字が増大、主要国の中で最悪の水準にある。
一般政府 (中央・地方・社会補償基金) の年度別収支差のGDP比率
資料:OECD “Economic Outlook, December1999”
累積赤字
日本の一般政府の債務残高は年々増加し、98年末でみても、GDPの97.3%に達している。この率は主要国の中で極めて高い。
一般政府の総債務残高の対GDP比率
資料:同上
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