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表II-1-6 自然の遊びに関する形態別分類

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2]遊びの対象による分類

自然遊びのなかで、対象種のどのような部分(あるいは状態)が利用されてきたかを分析することは、今後の狭山丘陵における自然遊びの継承と創造を考えるうえでたいへん重要なポイントになるものと考えられる。その一つの取り組みとして、植物を花、茎、葉、根、実等の部位で分類し、これらを対象とする遊びの事例分布を示したのが図II-1-7(詳細は資料編の表III-資-15参照)である。

それによると、木本類では葉および実の利用が7割以上を占め、草本類でも葉と実の利用に加えて花や茎の利用事例が多いことが分かる。狭山丘陵の事例をみると木本類における実の利用が多い傾向にあるが、これらは前出の形態分類のなかの飲食と密接な関係にある。このように、視点の異なる分類から双方に関連の強い特性を見出すことで、里山の自然とそこに育まれた子どもの意識に関する重要な手がかりが得られるのではないかと考えられる。

動物の場合には、図II-1-8に示した集計結果からも明らかなように、成体あるいは成虫を対象とした遊びが大部分を占めているが、一部では幼虫や蛾類のまゆ、クモの巣等も利用されている。いずれにしても、動物に対する遊びの発想や捉え方は、植物に対するそれとは全く異質のものである。

 

 

 

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