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表I-1-21 狭山丘陵の植物相

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注) 調査地域欄の各数字は表I-1-2の調査地域区分の数字を表す。

 

表I-1-21は各分類群に基づいた調査地域別の植物相をまとめたものである。野山北・六道山公園〔1〕では3年間にわたる調査資料を集計したことにより、現地調査による補足資料を加えて調査地域のなかでは最多の912種が記録された。

今回整理を行った植物について、その保護を考えるうえでとくに重要性があると考えられる種(注目種)を選定したところ、表I-1-22に示すように国レベルの注目される植物は15科19種(八国山緑地のシロヤマブキは植栽のため除く)である。その大部分は野山北・六道山公園、さいたま緑の森博物館〔13〕、東京都水道局管理用地〔14〕で記録されている。

また1,124種のなかには、もともと狭山丘陵に自生しないことが明らかな植物も少なくなく、そのほとんどは植栽起源と考えられる。これらのうち外来の植栽種や交配種を除く帰化植物を集計したところ、全域で120種がリストアップされた。この結果、帰化率は約10.7%となり1割以上が外来種によって占められている。

ところで、記録された植物に占める注目種の割合(都道府県レベルまで含めた値)と帰化率の関係を調査地域別にみると図I-1-17のようになる。帰化率が最も高いのは鳩峯公園周辺地域〔8〕の14.2%で、他の地域よりもかなり外来種が多いことが分かる。また、注目される植物の割合が11.4%と最も高い野山北・六道山公園でも帰化率が10.6%あり、従来は確認されたことのない新しい帰化植物が次第に増加する傾向を示している。

 

 

 

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