そうしたことから、住民の町づくりに対する意識が高まり、各地域で住民組織を主体とした、自主的な地域活動が活発に行なわれています。
主な活動をご紹介します。
◇ 清流恩木太鼓とコミュニティ活動
女性だけの和太鼓グループ「清流恩木太鼓」のメンバーは、全て新山地域の方々で、加茂川町の北西部に位置し、狭隘な谷間に集落が点在する典型的な過疎地域で町制施行前(昭和30年)は新山村と称していました。
当地域の主産業は兼業農家による水稲栽培を中心とした農業で、1戸当たりの耕作面積平均50a未満の小規模農家で、農業以外にこれといった産業もなく、高齢化率も30%以上という町内でも最も高い地域で、高齢化と後継者不足が深刻化している地域であり、農業意欲は年々衰退の一途を辿っていました。
「ふるさと創生事業」によって地域の活性化をみんなで考える組織「新山地区活性化推進協議会」が誕生し、この組織は、よい意味で残っている地域の人々のつながりを大切にし、子供からお年寄りまで、また、婦人組織も青年組織もみんなで知恵と汗を出し合って明るい地域づくりに取り組もうという組織であります。
組織の主な活動は、地域の特産物を都市消費者(岡山市)に届ける青空朝市や一人暮らし老人宅への給食サービスや、年一回地区民のふれあいと親睦を図る地区運動会、またいろんなイベントに地域を挙げて取り組んでいる地域でもあります。
このような活動の中で、地域の比較的若い女性から『和太鼓を始めたら…』という声が出、周囲の神社の太鼓を借用し見様見真似で練習に取り組んで7年になり、県下では、女性だけの「清流恩木太鼓」を知らぬ人がいないくらい各地で出演依頼があり、いろいろな催しで演奏すると共に、敬老会や老人ホーム、障害者雇用施設(吉備松下の夏まつり)でのボランティア慰問、また各地域のコミュニティ組織への訪問など行なっています。
メンバーも発足当時は、10名でしたが、平成7年に新山地域のコミュニティ活動の拠点施設として、学校跡地に新山ほほえみセンターが完成して、それ以来、メンバーも徐々に増加し現在は15名になり、また、地域の子供たちも土曜日の練習時には、太鼓の練習に加わるなど太鼓を通じた地域のコミュニティ活動が積極的に図られています。
◇ 新春夢花火
"町長と町政を語る「するめ談義」"が地域の青壮年を対象に行なわれたとき、青年から要望のあった、円城台地と吉備高原台地を結ぶ空中大橋の建設が現実味を帯びてきました。
この橋ができると、吉備高原と円城とが現在の20分から5分で行き来できるようになり、両地区の交流や、ひいては県南と県北各地との交流もこれまで以上に活発になり、地域の活性化に非常に有益な効果をもたらすことになります。
新春夢花火は空中大橋を夢見る両地区の青年同志や地区住民が交流を図りながら、円城台地と吉備高原台地とに別れて合計108発の花火を交互に打ち上げるイベントです。
小さな町の小さな集落で、行なわれる青年たちの手作りのイベント『新春夢花火』も県内外から大反響があり、本年第3回目を迎え、新たな賛同者も増え、地域住民を巻き込んで定着した年中イベントの一つとなっています。
◇ ちびっこ達も日本一に挑戦!
地域ぐるみで次代を担う若者を育てよう!…と言う町民の呼びかけにより、町民のご寄付で加茂川町若者育成基金を設置し、その基金運用の収益をもって、平成2年度から国内・海外派遣、新規就労者の集い、若者育成研修事業や若杉賞の表彰や小学校6年生全員による富士登山の実施など若者育成事業を実施しています。