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加茂川町の概要とまちづくり

小林正男(岡山県加茂川町地域活性推進課課長補佐)

 

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加茂川町全景

 

加茂川町は、岡山県のちょうど真ん中に位置する町で、標高120mから580mと、起伏の激しい狭隘な谷間に集落が点在する典型的な農山村地域であり、一部は吉備高原と呼ばれるなだらかな高原地帯にも属しています。

産業は水稲のほか、桃を中心とした果樹、沖縄へのフライト出荷も行っており、バラ・カーネーションを中心とした花き、酪農、葉たばこ、施設野菜、椎茸などの農業が主産業の町で、面積141.15km2、世帯数2,576戸、人口6,623人の人口規模です。

昭和30年町制施行時13,000人を数えた人口も今では半減の状況で、一般にいわゆる典型的な過疎地と考えがちですが、当時からいうと社会環境や生活環境、経済基盤等が大きく様変わりしており、考え方によっては広大な自然環境の中にゆったりとした生活空間を有する町といえます。

放っておけば次第に衰退していくであろう過疎の町を、何もしないで傍観するか、町民みんなが心を燃やして少しでもよい町に、活力ある地域にするかは言うまでもなく、どうせ挑戦するなら日本一の町をつくろう。

この日本一のまちづくりは、決して日本一高いビルを建てようとか、日本一の施設をつくろうというものではなく、町民一人ひとりが日本一に向けて励む心、たゆまない努力の向こうに日本一の町を期待する心を育てようというものであります。

そこで、加茂川町は平成3年、建設省国土地理院のご協力により、岡山県のど真ん中に位置することを科学的に測定し「ハート(中心→心)オブおかやま」をキャッチフレーズに、真心あふれる日本一格調の高いふるさとの町づくりに挑戦しています。

岡山県の中央に位置するというとこは、県内周辺の都市にほぼ均等な距離という地理的好条件にあり、自然を生かした若者向けのユニークな住宅の提供や20分程度の距離にある岡山空港を生かし、花きを中心としたフライト農業も発展しています。

加茂川町は「弥生式住居跡」や、930年の伝統を誇り、県指定無形民俗文化財であり、県下3大祭りの一つに数えられる「加茂大祭」、県指定の「円城ふるさと村」と、21世紀の未来都市「吉備高原都市」など、伝統ある歴史と未来が見事に調和した自然と農山村の美しいたたずまいの人情あふれた町でもあります。

「ふるさとに出会えるまち・加茂川」を合言葉に、古い伝統や文化を尊重し守り育てながら、新しい時代への挑戦とそれらの調和に心がける町づくりを町民と一緒になって頑張っている町です。

 

主な活性化活動

 

平成3年から、町内の青壮年を対象とした「町長と町政を語る"するめ談義"」をかわきりに、婦人を対象とした"花談義"、地域づくり団体を対象とした"村づくり談義"、等地域へ町長が出向いて町民から直接町づくりに対して意見や提言をいただいて実現したものも多くありました。

 

 

 

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