しかし、事業当初において各地区では
・地区委員会の組織をどのようなものにするか(自治会ベース、公民館運営審議会ベース等)
・地区事業として何に取り組むのか(アンケートで地区住民に問うた地区もある)
・より多くの住民に参加してもらうためにはどうしたらよいのか
・ソフト事業とは、ハード事業とは、その違いは?
・この種の新規事業は公民館職員の負担、仕事量が増える
・市の補助金はいつの時点で交付されるのか、運転資金が必要である
などなど、様々な課題、問題を抱えながらの事業着手となりました。
それに対し、市からは、地区の要望に応え担当者が事業の説明に赴いたり、また地区の相談に乗るなど側面的に支援するなか、徐々にそれぞれの地区で事業のかたちが見えはじめ、計画立案作業が進捗するようになりました。その結果、平成6年12月末には7〜9年度にかけての3年間の事業計画が全地区から出揃い、そして平成7年4月からは3年間にわたって実際の事業展開が開始されました。
しかし、事業の初年度は各地区にとっても手さぐり状態で、計画を現実の事業として実行に移すまでに予想外に時間がかかった地区もあり、また支援する側の市の担当課にとっても様々に条件の異なる、それも43という多数の地区を相手に奮闘の1年でしたが、翌平成8年3月には全地区において事業が"無事"終了、2年目の8年度からは各地区ともに順調に事業が進められていくようになりました。
そして平成7から9年度の3年間における各地区事業の内容も、まつり・フェスティバル、歴史調査、地区史・マップ等の出版、伝統文化の継承、オリエンテーリングやウォーク、地区の音頭・歌づくり、環境美化(花いっぱい・地区清掃)、福祉やボランティア、青少年育成、地区のスポーツ、地区のシンボルマーク作成、特産品開発、住民指標づくり、そして地区住民による楽団結成と多種多様な事業が展開され、これら活動が福井市全体の活力づくりにおおいに効果をあげる結果となりました。
また事業の成果として、作成された地区史、冊子、マップ、記録ビデオ、シンボルマーク、音頭・地区の歌などのように目に見えるかたちでの成果品も続々生まれましたが、目には見えない精神的な成果、たとえばそれぞれの地区の「活性化」「連帯意識の醸成」「人材の育成」といった、今後のまちづくり、地区づくりの基礎となる成果があがっており、地区委員会あてのアンケート調査においても、ほとんどの地区において前記の3点について促進されたとの回答を得ています。