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より具体的には、標準税率について、地方税法上「通常よるべき税率」とされ、「特別の財政上の必要がある場合」以外はこれによるべきこととされており、地方財政計画の策定の際の税収見積もりや地方交付税の基準財政収入額の算定に用いられ、地方団体は標準税率によって課税していれば、標準的な行政行える建前になっている。

超過課税の沿革・経緯等については、当委員会の「分権型社会に対応した地方税制のあり方に関する調査研究報告書」(平成11年3月)に詳しく触れているので再述は避ける。

 

2] 超過課税の現状

例えば財源が足りないときに制度的には、多くの税目で超過課税を実施するということは可能である。実際の超過課税の実施状況については、都道府県では、道府県民税の法人税割で46団体とほとんどの団体が超過課税を行い、また、法人事業税では7団体が超過課税を行っており、法人関係税で超過課税が実施されている状況にある。市町村の超過課税の状況は、市町村民税の個人均等割が20団体と、若干の団体が実施しており、一方で法人均等割が580団体、法人税割が1,431団体と、やはり法人関係の超過課税が多い状況にある。また固定資産税で280団体、その他、軽自動車税、鉱産税、入湯税で超過課税を実施しており、合計で2,462団体、1998(平成10)年度の決算額で4,824億円となっている。

超過課税団体数の推移については、住民税法人税割、法人事業税ともにほぼ横ばいであるが、固定資産税は減少傾向にある。

地方税収に占める超過課税の割合については、1980(昭和55)年あるいは1985(昭和60)年代の初めについては2%台を超えていたが徐々に減少し、1998(平成10)年には1.34%となっている。

具体的な超過課税の実施状況に関し、例えば道府県民税の法人税割については、概ね資本金1億円以下の法人で、なおかつ法人税額年1,000万円以下の中小の法人については、超過課税を実施せず、標準税率で課税をし、これよりも大きい法人について超過課税を実施しているという団体がほとんどである。

 

 

 

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