このため、本事業においても園地等の公共性の高い施設の管理委託については、直接民間事業者に委託することが不可能であることから、私法上の契約に基づく業務委託や第3セクターの活用等も含め、適法に処理するための具体手法を検討していく必要がある。
また、スタジアムや駐車場、賑わい施設等については、都市公園法で定められている「公園管理者以外による公園施設の管理及び設置」の規定に基づく管理許可や設置許可で対応することとしているが、この点についても今回の公設民活方式が、都市公園以外の他の分野で汎用的に適用しにくい要因の一つでもある。
次に、都市公園法の規定に基づく設置許可、管理許可による対応とはいえども、公の施設の管理運営を一民間事業者に長期かつ独占的に委ねることについての是非に関する市民感情の問題である。
地方自治法第96条の1の規定では、条例で定める重要な公の施設について、条例で定める長期かつ独占的な利用をさせるときは議会の過半数の議決が必要と定められており、本市条例上は、公園施設については5年を超える場合と規定している。
ただし当規定は、多数の住民に対して均等に提供するという、公の施設の目的を実質的に逸脱することを防止するためのものであり、今回のように当該施設の機能・効用を増進し、かつ住民の一般利用が妨げられないようなケースには該当しないものと解されているが、他のケースにおいて本方式を適用しようとする場合に、事業の趣旨によっては周辺の住民感情と相い入れないようなケースが出てくることも、可能性として考えられる。
この他にも、管理運営主体が民間事業者となることから、管理形態の形式上の違いにより、例えば管理瑕疵等によって利用者が損害を被った場合の市の責任体制等に市民が不安を持つ、といった市民への説明不足から生じる問題や、民間事業者と利用者の間で利用上のトラブルが生じた際の市の関与等の問題も想定されるが、今後、公共サービスヘの民間活力の導入をさらに推進していく上で、事業者との事前の綿密な取り決めや、市民・利用者に対して十分に理解を得る努力を、行政としてさらに進めていくことが必要である。