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(5) 多彩な賑わいの創出

開閉屋根全天候型スタジアムや、天然芝の年間稼動日数を100日まで増加できるGOALシステムの採用により、多彩なイベントヘの対応を可能としているほか、2階のループ動線により、各施設の有機的なつながりを確保し、イベントなど多目的利用への対応に加え日常の管理運営も容易にしている。

さらに、スタジアムピッチを前面に(グラウンドと同じ位の高さでゴール裏から)見渡せるパノラマレストラン(200席)の斬新な配置がなされている。

 

(6) アフタースポーツ中心の賑わい施設

アクアウェルネス(プール・温浴施設)、スポーツ後のフィジカルケア、リハビリ施設、プロショップなどのアフタースポーツケア施設に加え、スポーツフォーメーションの情報分析等を行うフォーメーションプレイ研究所や合宿利用も可能な研修施設等、より多くの人が楽しみながら健康増進を図れるような多彩な賑わい施設が配置されている。

 

(7) ライフサイクルコストの低減

天然芝を維持するための給水や観客席のトイレ・洗面所等に必要な水を雨水の再利用により確保するリサイクルシステムに加え、井戸水(地中熱)の利用による、部分空調可能な座席空調の採用など、自然換気、井水、地中熱利用、雨水リサイクルなどの省エネ設計が各所に施されており、環境への配慮に加え、当初の建設コストだけでなく、維持管理や廃棄・更新に必要なコストを含めた構造物トータルとしての「ライフサイクルコスト」の低減に大きく配慮されている。

さらに、省エネ設備・機器の大幅な採用により、少人数スタッフでの運営を可能とするなど、ランニングコストの低減にも十分配慮されている。

 

このように、単にスタジアムの建設という公共事業の受注者的な視点からだけではなく、民間事業者の持つ事業経営のノウハウが完成後の運営面にまでうまく発揮されるよう工夫されている点が、最大のメリットであると言える。

 

 

 

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