4 公設民活方式の反省及び課題
次に、今回初めて公設民活方式という新しい事業スキームを採用したことで、現在に至るまでの間にも、事業者の決定や契約方法など、過去に例のない様々な工夫や課題克服が必要となってきたわけであるが、これまでの経過を振り返りながら、公設民活方式への反省を加えつつ、今後の課題を整理したい。
(1) 事業計画提案競技(事業コンペ)について
本事業における事業計画提案競技(以下「事業コンペ」)は、先述したように平成10年6月に募集要項を配布し、同9月から受付開始、11月に審査委員会による事業者の決定を行ったところである。
今回の事業コンペの募集要項作成にあたり、特に留意した主な点を以下に挙げる。
ア. 事業コンペの趣旨に「スタジアム全体の運営を円滑に行っていくために、設計段階から事業企画提案を受け、建設だけでなく管理運営にも配慮した施設」とする旨を明記した。
イ. 事業コンペの概要の中で、公設民活方式である旨を明記し、基本方針に「建設は公共投資を基本に民間資本の導入を図り、管理においては民間の運営ノウハウを導入するモデル事業」であることを盛り込んだ。
また、事業コンペの範囲はスタジアムがその対象(周辺園地は含まない)であるが、「スタジアムと園地との連携を含めた提案」や「公園区域外の周辺他施設との連携による事業展開の提案」は妨げないこととした。
ウ. 応募者の資格について、国籍や単独企業・共同体の別は問わないこととしたが、「総括・建設・事業運営の3幹事社を定め、市に届け出る」ことを義務付けた。
エ. 応募登録した者を対象に事業コンペに関する質疑の受付を書面により行い、質疑に対する回答は応募登録者全員に郵送するとともに、質疑応答集は「募集要項の追加又は修正とみなす」旨を明記した。