いずれにしても、本来第三セクターという方式は、公共と民間の良いところをお互いに持ち寄って、新しい知恵や工夫を駆使し、公共の枠を越えた自由な発想で事業展開を実施していこうと意図されていたものである。
そして、そこには民間のノウハウの活用や効率性の追求といった視点もあったはずであり、PFI的考え方はすでにこの時点で芽生えていたと言える。
しかしながら、残念なことに右肩上がりの時代が去り、バブルが崩壊するに至って、特に破綻時のリスク分担があいまいであった第三セクターの不良債権処理の不明朗さが全国的に問題になり、第三セクターは官民もたれあいの代名詞のように揶揄されるようになってしまった。
第三セクターといえども、官民どちらかが主体的に責任を持って事業を推進していれば、また違った評価も生まれたのではないだろうか。
以上見てきたように、中部国際空港整備事業の枠組みはPFIではないが、本来の第三セクターが想定していた仕組みにより、民間がリーダーシップをとって事業運営を実施する民間主導型の第三セクターであると位置づけるのが適切ではないかと考えている。