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このような状況のなかで、(株)東芝と三井物産(株)の共同出資による(株)札幌プラスチックリサイクルが、札幌市リサイクル団地において、廃プラスチック油化事業を行うこととなった。(※6)

油化施設は、従来、処理が困難と言われていた塩化ビニルの混入にも対応できるものとなっており、札幌市が平成12年7月から予定しているプラスチックの分別収集によって集められた一般家庭のプラスチックを主な処理対象としている。

また、この施設を建設している東芝では、これに隣接して、一般家庭から排出されたプラスチックを国の定める分別基準に従って選別等を行う施設も一体的に建設している。

これは、札幌市が東芝に選別施設を建設させ、当該施設を買い取ったうえで、管理運営は別会社に委託する方が、作業や経費の面から効率的であると判断したからである。施設取得に係る事業費は約25.7億円である。

このプラスチック選別施設と先に述べたびん・缶・ペットボトルの資源物選別施設とで事業手法が異なる理由としては、前者は家庭系のプラスチックのみを対象としており、これらは市が収集することから、その処理についても市が主体的に処理することが適当であるのに対して、後者は事業系のびん・缶・ペットボトルも対象としており、事業系の一般廃棄物の収集・運搬の許可業者である札幌市環境事業公社が処理の主体となることが合理的であったことなどがあげられる。

 

※6「札幌市リサイクル団地」 札幌市、第3セクター、民間がそれぞれの役割を担い、建設廃材や廃油、汚泥などの再生処理施設や建設系混合廃棄物の破砕選別施設等を建設し、主に企業から発生するごみの減量とリサイクルを推進するための施設。平成10年度の調査研究報告書を参照いただきたい。

 

5 本格的なPFI導入に向けた取組体制について

「2 札幌のまちづくりの方針」、「3 札幌のまちの特色」でもふれたが、札幌市では、昭和47年の政令指定都市移行時前後、人口の急速な増加や市街地の拡大に対応して集中的に公共施設の整備を進めてきたが、21世紀に入ると、これらが次々と更新時期を迎え、そのための財源確保が難しくなることが懸念されている。

 

 

 

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