4]公共と民間の関係
PFIの背景にあるのは、公共と民間の関係は平等であるという考え方である。
従来方式は法制度の関係もあり、管理はあくまでも公共が行うというものであり、民間の創意工夫を活かすという趣旨を損なうことが多い。
PFIにおいても公共は計画責任を負っているが、実際の経営責任については直接日々の経営における各事項に関与するのでなく、「特定されたアウトプット水準」を明示し、それを守るインセンチブが働くように契約を設計し、遵守されているか否かをモニタリングする。
(3) PFI事業の主なメリット・デメリット
ア. 主なメリット
1]公共サービス提供のライフサイクルコストの節減
VFMの考え方に基づき、従来公共が実施していたサービスを、民間が公共に代替してサービスを提供し、公共サービス提供の全体の費用(ライフサイクルコスト)が節減される。
2]最新の技術革新の成果の活用
従来方式のように公共が仕様を詳細に定めるのではなく、民間の創意工夫を活かすために性能発注の形をとるため最新の技術革新の成果を活かすことができる
3] 新産業の育成
公共サービスの代替を果たすためのサービス・管理産業など新たな産業が育成される。
イ. 主なデメリット
1]高いセットアップコスト
プロジェクトの立ち上げと交渉に多くの費用・労力がかかる。
2]モニタリングコストが嵩む
事業に関する情報については、代理人である民間事業者の方が依頼人である公共よりも多く有することになる。