1]スタンスの違い
従来の第3セクターを中心とした民活方式は、時代の変化に対応した新たな分野への公共サービスの提供領域拡大に対応して、従来の公的分野だけではノウハウ面でも財源面でも追いつかないことから、民間のノウハウや資金を活用しようとするものであり、「大きな政府」指向の取り組みであった。
一方、PFIは、従来公共が提供していた公共サービスを、民間の方がより「適切な品質での提供を低廉な価格で行える」場合において、民間が公共に代替してサービスを提供するというものである。投入した税金に対して最大限の効果を追求するというバリュー・フォー・マネー(VFM)の考え方に主眼があり、その意味で「小さな政府」指向の取り組みである。
2]売り物の違い
従来の民活方式は主として新規の社会資本整備(箱物整備)に民間資金を誘導することに主眼があった。しかし、PFIは、公共が提供するよりライフサイクル(建設から運営まで含めたすべての期間)にわたってのコストが安い場合に、民間が公共サービスを提供するものであり、サービス購入に主眼がある。
3]公共と民間の役割分担の明確さの違い
PFIの特徴として、契約による関係者間の明確なリスク分担があげられ、相当な部分のリスクを民間が負う。一方の従来方式では、信義誠実の原則にだけ則った、問題が生じればその都度協議という曖昧なものであり、公共と民間の役割分担の明確さにおいて大きな違いがある。