これはまた、リファイナンスに困難を生じさせる(【21.3 リファイナンス後の補償の支払い】を参照のこと)。リファイナンスが優先債務の水準を高めるため、こうしたリファイナンスはこのようなアプローチによって慎重に管理される必要があるからである。
20.2.6 市場価値
20.2.6.1 推奨されるアプロチは、【20.2.5.2】で詳述されている原則に従う。これにより、優先債権者の、事業者のデフォルトに際してプロジェクトに介入し、これを管理し、かつ免責もしくは売却し、これに失敗した場合、終了時に契約の残余期間の未了の期間の市場価値にもとづき補償を申し出る権利を容易にする。
20.2.6.2 推奨されるアプローチは以下のおとりである。
・ 優先債権者が介入し、その結果撤収する道を選んでも、優先債権者に制裁を課さない。(【30 直接契約参照】
・ 優先債権者が暗礁に乗り上げたプロジェクトを終了させるより、むしろ、当局や事業者と協力して長期にわたる解決策を完遂しようとするためのインセンティブを増大させる。
・ 資金提供者が介入しない道を選択しても、その結果として当局が財政的に困窮しないことを確実化する。
・ 終了時に、当局に棚ぼた式の利益を与えない。
・ 他の等級の融資、もしくは自分自身の財務諸表を通じてプロジェクトに融資する準備のある入札者を冷遇しない。
20.2.7 再入札選択権
20.2.7.1 【20.2.7】にもとづいて、当局には契約終了後再入札を行うかどうかを選択できる場合がある。もし優先債権者が介入権を行使することを選択したが、当該プロジェクトの市場流動性が全くないため37、プロジェクトを免責するためまたは契約の購入者を見つけるために全ての合理的な努力がなされてもだめなときは、当局が補償の方法を選択できるようにすることは適当ではないであろう。もしその場合当局が補償の方法を選択できてしまったら、プロジェクトが売却できないということを利用して当局が契約終了に際して棚ぼた式の利益を得てしまうことになる可能性があるだろう。
37 例えば、類似のPFIプロジェクトが補償無しで国有化されてしまっている場合など。