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19.2.8 当初契約期間終了後の事業者を一般競争入札7で再選択すると共に、当初事業者に対して強制的に第二期のサービス提供を行わせるオプションを当局が持つことを望むかもしれない(【19.6.3】を参照のこと)。しかしその場合には、新旧の契約条件を比較するために、再入札は当初契約の条件と基本的に同条件に基づいて行う必要がある8。違う条件で再入札を行おうとする場合には、当局は強制オプションにどのような影響がでるかについても検討しておく必要がある。この影響として、残余資産価値リスクをある程度移転する必要がでてくるかもしれない。

 

19.2.9 代替用途の無い資産については、【22 契約終了時検査】の規定が当てはまる。

 

19.3 代替用途の無い資産の引き渡し規定

 

19.3.1 資産の移転については契約書上で詳しく規定する必要がある。規定には以下の事項が含まれる必要がある。

(a) 資産の状態、改修工事、その費用とどのようにそれが支払われるかについて(【8. メンテナンス】および【22. 契約終了時検査】を参照のこと)

(b) 期間満了日以降の設計耐用年数にかかわる必要事項

(c) 引き渡し前検査

(d) これまでに改修工事が行われたか否かのチェック

(e) プロジェクトに関わる製品保証・契約およびその他の権利の譲渡のための規定

(g) 上記に関連する紛争

 

19.3.2 その他関連する諸問題として、従業員の処遇の問題がある。多くの場合、従業員は継承事業者または当局に移転されるからである。

 

19.3.3 従業員が移転される場合には、契約終了が近いてきた時に(例えば契約終了1〜2年前)、従業員数や雇用条件を事業者が変更することに対する制限条項を契約書に盛り込む必要がある。

 

19.3.4 契約終了に関わる保証規定について、一般的内容のものが更に盛り込まれるのが通常である。以下に一例を挙げる。

 

7 どのような競争入札が必要かは、その時の公共調達方法に対する規制による。

8 例えば、当初事業者の入札の際には資産を新たに購入する必要があったのに対して、新事業者は既存資産を引き取ればいいため、サービス料水準が大きく異なってくることが考えられられる。

 

 

 

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