これは、すなわち事業者の収入の流れが開始する日も遅れ、追加コストが発生する(5.2.2.6参照)ことを意味する。その結果、事業者は資金調達コスト及び追加コスト負担する可能性があり、それは事業者にとって大きな費用負担である。17
5.2.2.2 契約締結に先立ち、サービス提供開始の遅れに直接起因するサービス提供開始の遅れに対して事業者がどのように補償するかについて、意思決定を行わなければならない。推奨されるアプローチは、当初の満了日を保持するとともに事業者にはその損失を補償する方法である。これは、補償の金銭的な価値は支払金額と同じかもしれないが、サービス提供がまったく行われなかった月についても一括請求の支払いが行われることを意味しない。
5.2.2.3 契約に損害賠償金(第4章(サービス提供開始の遅れからの保護)を参照のこと)が記載されている場合、事業者の損害賠償金の支払い責任もまた、補償事由によって惹起された遅延の期間中、免責される。事業者はむろん、補償事由に関連する当局の損失についても、その他のいかなる支払い責任からも免責される。このことは、補償事由の、当局にとっての自然的結果を決定するにあたり、考慮に入れられるべきである。
5.2.2.4 推奨されるアプローチの主たる利点は、第二にその単純さであり、第一に融資者に好まれることである。このアプローチもまた、当局が建設段階において遅延がもたらされないように、その権利と義務を管理するインセンティブを持つことを意図している。このアプローチが実際にどのように機能するか、その詳細は【5.2.3 算定と補償】を参照すればわかるだろう。
5.2.2.5 中には、事業者に対し、下請業者の余分の費用を前払いすることによって補償する道を模索し、資金調達費は満了日を延長することで対処したプロジェクトもある。これは財源確保の見込みがないので、推奨できない。事業者が遅延を完全に補償された場合は、満了日を延長する必要はいっさいないし、満了日の延長も行えば不必要に複雑な事態を招く危険がある。定められた補償は後述するとおり支払われたとすれば、満了日の延長は適正ではない。
5.2.2.6 事業者は損失を軽減するために合理的な努力(たとえば、業務予定を組み直すか、もしくは人員を散開する)をせざるを得ないようにすべきである。
5.2.3 補償の算定
5.2.3.1 補償事由が収入推定のコスト及び/又は損失のある追加コストや遅延を含む場合、支払金額は調整される必要があるかもしれない。補償事由の結果として発生するいかなる変化をも取り扱うための適切な方法を契約が含むということ、実質的な損失が予測(26の下を参照)と異なることが明らかになる場合、締結された契約が最終的に再開されることは重要である。契約の起草方法は5.2.3.3下を参照。問題の取り扱い方法は同様にサービス及び/又は法律変更の結果として起こるコストに適用可能である。【12 サービス変更】及び【13 法律変更】】参照。
17 もしも“ボーナス支払”が早期サービス開始(【4.6 早期サービス提供開始に対するボーナス支払】参照)に対して行われるのであれば、免責事由の発生により早期サービス提供開始が妨げられる場合、更なる補償があれば事業者に支払われるということを当事者は考える必要がある。