日本財団 図書館


■質疑応答

 

【横島】それでは、ここで会場から2、3ご質問をいただきます。

 

【会場】一つは国税と地方税の組み替え、あるいは新井先生の所得税を地方税にできないかとか、いろいろなご提議があると思います。これはどなたでも結構ですから、少しわかりやすく、こういう方向が今検討されているんだというようなことがあったら、ぜひ教えていただきたいと思います。

それからもう一つ。町村の合併と言われますが、それは今度の地方分権推進委員会では、どの程度議論されて、どうした方がいいのかという方向性があるのかどうか。この二点についてご質問をします。

 

【横島】はい、ありがとうございました。では、諸井さんにお答えいただきましょう。

 

【諸井】私はたまたま政府税調の委員を兼ねておりますので、今、政府税調で委員の任期がこの4月に来るものですから、委員の遺言のような形で「中期答申」というものを作っております。その中で国と地方の税源配分の問題について、やはり何らか方向性を出すべきではないかという議論を今しております。

私がかねがね主張しておりますのは、これは地方分権推進委員会委員長という立場ではなくて、政府の税調委員として主張しておりますのは、先程町長さんが言われましたように、消費税をある程度上げて、それを地方税に組み込むべきではないかということです。というのは、少なくとも都道府県レベルでは、都道府県の経済力と消費税の収入がやや見合うのではないか。それ以外のものですと、やはり非常に一局集中で格差が激しくて、必ずまた再配分をしなければならなくなるということです。それで消費税ということを言っております。

 

【横島】山出市長、金沢でかつて自主税制の体験がおありだったとか。あれはどういう制度だったのですか。

 

【山出】日本で初めて法定外普通税を起こしたことのあるのは金沢市であります。そういう歴史がありました。これは遊興飲食税に類似のものだというように思います。そして、一般の地方の取り組みとしますと、戦後いろいろなところで犬をお持ちですとそこに課税をしたり、ミシンをお持ちですとそれに課税をしたり、そういう一時期がありました。

しかし、今の時点に立ちまして、そのような法定外普通税というものを自治体が見つけることができるのかということになりますと、私自身たいへん難しい議論だと思っています。先程貝原知事が「歳入構造は、国と地方の割合は7:3だ。歳出構造にすると3:7になるので、その関係を変えるような仕組みが大事だ」とおっしゃいました。私もそうだと思いますし、その過程の議論で消費税をどうする、あるいは所得税をどうする。その地方と国との配分比率をどうするかという議論だと思います。結果として私はやはりそういうことにせざるを得ないのではなかろうかと思いますし、そういう方法をとっても弱小な市町村というのは必ずあるわけですので、そこは地方交付税が機能すべきだと思っています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION