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【横島】ありがとうございました。必ずしも十分な議論をいただけなくて、誠に申しわけなかったのですが、時間の制約もありますので、とりあえず6人のパネリストの皆さんからのご議論はここまでとさせていただきます。

うかがっておりまして、たまたま今日は50音順に並んでいただきましたら、貝原知事と山本町長、山出市長の間におふたり入られたのですが、県と市町村の関係に、なかなかやはり難しい問題があったな。非常にうまい配席になったのかなと(笑)。しかし、ここの関係がうまくいかないと、国との関係はますますおかしくなるわけで、地方自治体としての都道府県、市町村の関係について、ぜひせっかくの地方六団体のご主催でもございますので、具体的な検討をお願いしなければいけないと思います。

同時にさらに横に広がる裾野として、地方分権の究極の主役は住民だという市民権の拡大というところに、やはり最後の視点をきちっと据えていただかないと、この分権思想というのは定着しないだろう。いろいろなところでお話をうかがいますが、やはりここに必ず答えが戻るわけです。ぜひその辺についてのご議論とこれからのご尽力をお願いしたいものです。

それから同時に自己決定、自己責任の議論も完熟いたしませんでしたが、「議員の責任」という切り口を新しく持っていただきました。同時に山本町長は「わが町には十分なる実力あり」と決意を述べられました。たいへん結構なことで、そういう町はどんどんやっていただきたいのですが、やはり市町村の力にも差があり限界があることは残念ながら現実ですので、職員の皆さん、あるいは首長以下の皆さんの更なるご努力で、受け皿論というものに対して本当の裏づけのある反論が出てくるということを、ぜひ期待申し上げたいと思います。

最初の映像でもありましたが、四つに分権の筋をまとめてみますと、一つは基本理念の変更です。これは対等・協力という関係で異論のないところであります。これの検討は終わりました。

二番目は制度の見直しとして、代表的には機関委任事務の廃止と自治事務、法定受託事務というように制度が変わりました。ここのところはまだ不十分です。しかし、これを進めない限り次なる展開がないということでいうならば、制度の見直しの基本論は、私はできたと思います。

三番目は組織の立て直し強化の問題。ここのところはこれからの課題がより大きくなっているのではないか。その意味では自治体のパワーアップにぜひ期待を申し上げたい。今日の議論もその辺にやや集中したところもあります。

そして、四番目が住民の参加という問題でありましょう。自己決定、自己責任というのは、まさにここに帰着する。この四本の柱の三番目と四番目が、4月以降の実施段階で実は「見えざる課題」として大きく拡がってくるだろうと思います。ぜひその辺について、関係各方面の絶大なご協力で、この新しい民主主義完熟の夜明けにスタートを切っていただきたいと思います。

 

 

 

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